デザインとテクノロジの調和で激戦のアパレルECサイト市場を獲る--ドコモ傘下のマガシーク - (page 3)

岡田靖 怒賀新也 (編集部)

2013-07-17 07:30

ドコモ傘下となり、シナジー効果を目指す

 3月、マガシークに対するTOB(株式公開買付け)が完了し、NTTドコモが75%を出資することになった。このドコモとのシナジーも、今期の重要戦略の1つである。例えばサイトのスマートフォン対応は、現状ではPC用サイトから変換サービスを通じて表示させている状況だが、最終的にはこれを内製化できるよう研究中とのことだ。

 「今は、どういったデザインが適切なのかといった落としどころを探っているところです。またデザインだけでなく、使い方の違いにも注目しています。例えば、PCとスマートフォンのユーザーの重複については、スマートフォンユーザーはガラケーよりも重なる傾向があるのではないか、スマートフォンではウインドウショッピングのイメージ商品を眺め、PCでは腰を据え時間をかけて選ぶといった具合に使い分けているのではないか、といった仮説を立てており、PCとスマホをユーザーがどう行き来しているのか見極めるため、計測の仕方を変えながら調べています」(石川氏)。

ドコモとのシナジーの鍵となるのがメンズ向けの強化だという
ドコモとのシナジーの鍵となるのがメンズ向けの強化だという

 また、両社のユーザー層の違いを減らそうと、商品戦略も変化し始めた。これまでマガシークは女性を主なターゲットとしてきたが、ドコモのユーザーには男性も多い。そのため今後は男性向け商品の比率を高めていこうとしているのだ。

 「今、男性向け商品では、色をつける作戦を採っています。レディースの方はマスの感あるラインアップとしているのに対し、メンズではジャパンファッションウィークと組むなどかなりファッションギーク寄りの品ぞろえです」

 同社のメンズ商品の顧客はまだ多くない。これから新たに開拓していく分野のため、ファッションに興味の強い男性から取り込む作戦のようだ。

 「ドコモ傘下に入ってから、経営にスピード感が出ているように感じられます。社内にはドコモ事業部もでき、商材開発などに取り組んでいるところです。これからは伊藤忠の商材力、マガシークが培ってきたアパレルのノウハウに加え、ドコモのスマホ向けノウハウが加わり、シナジー効果を得られるよう進めていきます」(石川氏)。

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