大企業の導入事例では、日本空港ビルデングが羽田空港国内線旅客ターミナルでの館内呼び出し登録システムとして採用。従来は紙とファクスだった迷子の呼び出し、登録といった作業をkintoneでiPadを使ってデジタル化した。
また、介護事業者が家族と事業所が連携するためのアプリケーションを開発した事例など、外部との連携を行う事例が増えていることから、今回のアップデートで付加した「ゲストスペース」という新機能を盛り込むことを決定した。
技術者向けサイトも公開
ゲストスペースは、従来からkintoneにあったデータやディスカッションをテーマごとに分けて共有できるスペース機能を発展させたもの。メールと添付ファイルを使って行われることが多い、社外との連携を、アクセス権が決められた特定の空間でやり取りする。ゲストを招待する際にはアクセス権の付与といった作業の必要がないため、情報漏洩を防止しながら、気軽に参加者を招くことができる。
今回、新たに追加されたもう一つの機能が、JavaScript読み込み機能だ。従来のノンプログラミングによる業務アプリの構築に加え、条件書式や自動採番、経過年数の自動計算など、個別のニーズに柔軟に対応できるようになった。
現在の事例の多くが、システムインテグレーター経由、サイボウズとサイボウズの関連会社によるものが半々となっているが、今後さらに開発者との関係を強化していくために技術者向けサイト「cybozu.com developers」を7月16日付けで公開した。サイトではkintoneだけでなく、cybozu.comサービスのAPIドキュメントやJavaScriptサンプル、ホワイトペーパー、SDKなどを公開し、開発者との連携を強化する。
こうした施策から青野氏は「kintoneで従来の受託開発業務を人月計算から、人日、人時のようなスタイルで利用できるようになり、販売スタイルはオンライン販売へ、ユーザー側は組織を超え顧客企業や協力会社を巻き込んだチームワークカンパニーへと変化させることができるのではないか」と話した。