モバイルで店頭の棚確保を効率化--アクセンチュア、消費財向けサービス強化

大川淳 2013年07月18日 13時47分

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 アクセンチュアは7月17日、消費財を扱う企業向けのサービスを強化する事業戦略を発表した。スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を生かし、商品を小売店の店頭で優位に立たせるよう支援する。この施策の軸となる、消費財業界特化型のソフトウェア「Accenture CAS」の最新版を日本国内で発売、100社程度からの受注を目指す。

 同社によれば、市場規模の縮小や小売価格の低下、商品ライフサイクルの短期化といった要因から消費財関連企業は、店頭での“棚”の確保や小売店と連携した販促活動の展開など「店頭での戦い」に巻き込まれている。今回のサービスは、商品が確実に“棚”に陳列されるとともに、販促キャンペーンを展開する企業の中枢部と現場の店頭との効率的な連携を強化することを図っている。


アクセンチュア 製造・流通本部 一般消費財業界グループ統括 マネジング・ディレクター 関一則氏

Accenture CAS製品戦略担当統括 マネジング・ディレクター Henning Fromme氏

アクセンチュア モビリティサービスグループ統括 マネジング・ディレクター 清水新氏

 アクセンチュア 製造・流通本部 一般消費財業界グループ統括 マネジング・ディレクターの関一則氏は以下のように指摘して、適切な“棚対策”の重要性を強調した。

 「国内では、プライベートブランド(PB)の比率が、欧米に比べまだ低く、今後さらに増加してくると予想される。となると“棚”での競争がさらに激しくなってくる。ここで勝つために、一手を打つ絶好の機会なのではないか。コンビニエンスストアでは、食品や飲料など新商品は短い期間で棚から姿を消してしまう。長く愛される商品の開発は重要だが、新製品が早く“棚落ち”する傾向を受け入れ、発売直後の初動で最善の策を講じることで棚を確保すれば、商品が生き延びる期間を長くできる」

 サービスの中核となるAccenture CASは、統合営業管理プラットフォームという位置付けであり、販促管理、販促の最適化、店舗営業、デジタルマーチャンダイジング、直販営業、ディストリビューター管理、サービス管理、レポーティングと分析などのモジュール型で構成される、ソフトウェアスイートだ。

 今回の最新版では、モバイル対応に焦点を当てている。消費財企業はAccenture CASの主要な機能をiOSやAndroid、Windowsの基盤上で利用できる。Accenture CASモビリティ・プラットフォームは、主要な統合基幹業務システム(ERP)や顧客情報管理システム(SCM)のパッケージと統合可能だ。同プラットフォームには、共有リポジトリが設定されており、1つのソースコードで複数のプラットフォームに対応することが可能になっている。

消費財企業のビジネスの在り方を変革する

 Accenture CASが擁する機能の中で、特に注目されるのはデジタルマーチャンダイジングサービスだと言える。これは次のような仕組みだ。

 まず、企業の営業や専任担当者は、自社製品が実際に店頭の棚にどのように陳列されているのか、モバイル端末のカメラなどで撮影し、そのデータをアクセンチュアのクラウド基盤に送信する。それを画像認識機能を基本に手作業での補正も加え、高い認識率を確保し、分析する。これにより、店舗での製品の販売状況、陳列、棚割計画の順守状況、競合他社の情報などもタイムリーに取得できるため、より理想的な棚割りができるよう店頭の最前線での対策を立てやすくなるという。

 同社によれば、このサービスで店舗を監査する時間とレポート分析時間は最大80%低減化され、監査データ精度は最大66%向上し、欠品は4%削減、棚シェアは5%増加する――といった効果を期待でき、棚割計画の順守率が改善されることで2%の売上拡大につなげることが可能だという。

 Accenture CAS製品戦略担当統括 マネジング・ディレクターのHenning Fromme氏は「Accenture CASは、消費財企業が店頭での戦いに勝つことを手助けするのが使命。すでにDanone、L'Oreal、Nestleなどに提供している。デジタルマーチャンダイジングは、売上増をもたらし、顧客との関係も良くすることができる。消費財企業のビジネスの在り方を変革することができると考えている」とそのメリットを強調する。

 モビリティサービスグループ統括 マネジング・ディレクターの清水新氏は「モバイル端末の活用で多様な局面で大きな変化が起きる。実際の販売量や棚情報をモバイル端末を通じ、リアルタイムで利用することで在庫管理や生産管理、調達などが効率化できる。マーケティング施策の効果もわかりやすくなるとともに、指標となる情報を迅速に取り込めるため、意思決定をより早くできる」と述べ、モビリティが経営モデル高度化の鍵になるとの見解を示した。

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