カモにされないために自分で情報を収集する
投資証明書の取得方法を含めた手続きについては、日本語でも詳細な資料が無料で手に入ります。例えば、JETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)が公開している「ベトナム会社・駐在員事務所設立マニュアル 」や「はじめてのベトナム進出2012~中小企業に覚えておいてほしいベトナム投資の心得~」といった資料は、一読の価値があります。また、日本企業の誘致により積極的で、近年、新しい投資先として注目を集めているハイフォン市やダナン市では、日本語の公式ホームページを持っており、この中で手続きについての情報を公開しているケースもあります。
情報収集の方法についてわざわざ触れるのには理由があります。私の経験上、現地の専門家や申請先の公的機関でも、必要書類や登記可能な場所の誤認などの誤りが発生する可能性が高いためです。
また、どこの国にも善人と悪人がいるように、ベトナム進出を図る日系企業を食いものにしようとする企業や個人がいることも事実です。同じ日本人として残念ですが、ベトナム滞在歴が長い在留邦人の中でも、評判の悪い者がいるという噂もあります。自分自身が投資に関する一連の手続きを把握しておかなければ、このような悪徳業者から、「次は、○○の申請が必要だから、追加で資金が必要」といった連絡に、言われるがままに支払いをしてしまうなどのトラブルに巻き込まれないとも限りません。「次の手続きは今の手続きに含まれているはずだ」、「○○ではなく△△なのでは?」といったやり取りが交わせる最低限の知識が必要です。