“伸縮可能なグローバルオペレーティング基盤の構築”では、日本企業とアジア企業との格差が浮き彫りになっている。「複数の地域での効果的なオペレーションをサポートする、適切なITインフラストラクチャが配置されている」とした日本企業は16%。アジア企業では30%。「複数の地域での効果的なオペレーションを実行するための適切なプロセスがすべて配置されている」日本企業は20%、アジア企業は32%だった。
グローバルオペレーティング基盤構築のためには役割と責任の明確化など、組織構造の見直しや業務プロセスの標準化、技術活用の方法の統一化などが必要になるという。
“成長のための人材、リーダーシップとカルチャーの導入”では、成長に向けた基本の取り組みとして人材確保と維持、ローカルマネジメントの強化が必要という。真のグローバル化を目指す取り組みとして、「国を超えた文化の問題に対処、グローバルなマインドセットをリーダーシップで共有」を挙げている。意思決定の権限を持つ現地のリーダーシップを活用する取り組みなどが必要だという。
アクセンチュア 経営コンサルティング本部 セールス&マーケティング グループ統括 マネジング・ディレクター 石川雅崇氏
「欧米では基本的に言葉の意味が厳密に規定されている。たとえば日本語の『多分』だが、英語の場合(意味を数量化したとしたら)、Certainlyはおおむね95%、Probablyは80~90%、Maybeでは50%以下――といった具合だ。しかし、日本語では文脈上での理解、あうんの呼吸、暗黙の了解というようなことが重視される。海外に進出するときには、このような文化の差異を理解した上でのリーダーシップが求められる」(石川氏)
ビジネスパートナーとしてサービスを提供
同社は世界54カ国200都市以上で拠点を展開、1万8000人以上のコンサルタントを擁している。こうした人材を生かす、グローバル化支援のための組織的な機軸として“Japan Globalization Platform”を設けている。現在、シンガポール、インド・デリー、中国の北京と上海、インドネシアのジャカルタの5カ所に拠点がある。日本人コンサルタントが常駐し、現地での日本企業支援に従事している。
アクセンチュアは、日本企業のグローバル化支援にあたり「即時性」「戦略的俊敏性」「確実性」を基本としている。Beg氏は「われわれは信頼されるビジネスパートナーとしてサービスを提供し、顧客の課題に対処し、目に見える価値をもたらす。できる限り早く結果を出すとともに、確実性を保っていく」と述べた。