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注目「Googleのクラウド事業を読み解く」
松岡功の「今週の明言」

IaaSをめぐる“三つ巴”の戦いが過熱

松岡功

2013-08-02 15:34

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、米Googleの Amit K Singh エンタープライズ部門担当社長と、レッドハットの廣川裕司 代表取締役社長の発言を紹介する。

「多様なクラウドサービスの選択肢を提供できるのが、われわれの強みだ」(米Google Amit K Singh エンタープライズ部門担当社長)


米Googleの Amit K Singh エンタープライズ部門担当社長

 グーグルは7月17日、米Googleのエンタープライズ事業責任者を務めるAmit K Singh(アミット・シング)氏の来日を機に、同事業の状況について記者会見を開いた。Singh氏の冒頭の発言は、その会見で、競合他社に対するGoogleのクラウドサービスのアドバンテージを問われて答えたものである。

 Singh氏は会見で、企業向けオフィススイート「Google Apps」の有料サービスが、米国ではFortune 500のうち58%に利用されており、日本でも多くの企業に採用されていると説明。とくに中堅・中小企業では、全世界で約500万社がGoogle Appsをはじめとした同社のクラウドサービスを利用していると強調した。

 その中で、いくつかの事例を挙げながら同社のさまざまなクラウドサービスを取り上げたSingh氏の発言の詳しい内容については関連記事を参照いただくとして、ここでは同氏が語った競合他社に対するGoogleのクラウドサービスのアドバンテージに注目したい。

 Googleにおける競合他社との戦いで今もっとも注目されているのは、IaaSを中心としたクラウドプラットフォームの領域における米Amazon.comおよび米Microsoftとの勢力争いである。  ただ、IaaS型サービスについてはAmazonが2006年からいち早く展開していることもあって、昨年夏から本格的に同サービスを展開し始めたGoogleおよびMicrosoftを大きくリードしているのが現状だ。しかもAmazonは、コスト競争力を武器に企業向けクラウド市場でこのところ一層勢力を拡大しており、GoogleとMicrosoftはその動きに強い危機感を抱いているとみられている。

 そんな状況の中でのSingh氏の会見だっただけに、とりわけAmazonへの対抗策についてどんな発言があるか、注目された。質疑応答でこの点を問われた同氏は、次のように答えた。

 「Amazonは素晴らしいサービスを提供していると認識している。しかし、Amazonに対抗できるサービスをGoogleも提供している。もともと当社が展開しているさまざまなサービスを支えているクラウドのリソースを活用しているため、その性能や拡張性の高さはユーザーにとっても大きな魅力のはずだ。また、IaaSのコストパフォーマンスで勝負するだけでなく、当社ではPaaSやSaaSにおける多様なサービスを提供しており、それらを柔軟に組み合わせて利用してもらうことができる」

 そして、このコメントを締めくくる形で同氏が力を込めて語ったのが、冒頭の発言である。対抗心むき出しというわけではなく、むしろGoogleの自信を感じさせられたコメントだった。ただ、ここにきてMicrosoftも必死に追い上げを図っており、クラウドプラットフォームにおける3社の“三つ巴”の戦いは、今後ますます過熱しそうだ。

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