「これからはOSSがIT環境におけるイノベーションを先取りしていく」(レッドハット 廣川裕司 代表取締役社長)
レッドハットの廣川裕司 代表取締役社長
レッドハットが7月23日、クラウド基盤の構築・管理を行うオープンソースソフトウェア(OSS)「OpenStack」をベースにした新製品として、「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform」および「Red Hat Cloud Infrastructure」を国内で提供開始したと発表した。廣川氏の冒頭の発言は、その発表会見で、OSSがこれからIT環境にもたらす影響力について語ったものである。
Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platformは、OpenStackと「Red Hat Enterprise Linux Server」からなる。Red Hat Enterprise Linux ServerをOpenStack向けに最適化しており、OpenStackを使用したクラウド基盤の構築・管理を行う製品である。
また、Red Hat Cloud Infrastructureは、OpenStackとRed Hat Enterprise Linux Serverに加え、仮想化プラットフォーム「Red Hat Enterprise Virtualization」、ハイブリッドクラウド管理フレームワーク「Red Hat CloudForms」で構成。従来型のデータセンター仮想化から、OpenStackを使用したクラウドへの移行を実現する製品である。
これら新製品の詳細については関連記事を参照いただくとして、ここでは廣川氏が語った冒頭の発言に注目したい。
同氏によると、OSSをめぐっては今や全世界で10万件を超えるプロジェクトが進行しており、100万人を超える開発者が育ってきているという。また、そのカバーレッジも、これまではOS、ミドルウェア、データベース、サーバ仮想化、アプリケーションといったデータセンター内部のソフトウェアを対象としてきたが、最近では分散処理、クラウド管理、ネットワークおよびストレージの仮想化、ビッグデータ対応といったデータセンター外部にも広がっているという。
その上で同氏は、「OSSはこれまでデータセンター内部に位置付けられる既存の有力ソフトウェアをキャッチアップすべく開発が行われてきた。しかし、これからはデータセンター外部に求められる機能とともに、OSSがリードしていく時代が来る。その象徴となるのがOpenStackだ」と強調した。冒頭の発言はその決め台詞である。
レッドハットにとっては、OSのLinux、ミドルウェアのJBossに続く新たな主戦場となる。果たしてLinux市場のようにリーダーシップを握ることができるか、注目される。
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