Canonicalは何を作ろうとしているのだろうか。単に当たるか外れるかわからないクールなガジェットを思いつきで作っているわけではない。PC市場を長期間、厳しい目で観察し、今こそ、この先鋭的なアイデアを実現するタイミングだと判断したのだ。
浦島太郎でもなければ、PC市場がゆっくりと死に向かい始めたことは知っているはずだ。IDCは2013年の始めに、PCの売り上げの落ち込みが過去10年で最大を記録したと報じた。
これは、PCがなくなるという意味ではない。PCは簡単にはなくならない。オフィスでも家庭でも、PCは当分の間使われ続けるだろう。タブレットやスマートフォンでは難しい作業も、PCなら可能だ。だが、われわれが今本当に求めているのは、もっと小さい、持ち運べるデバイスなのだ。
米ZDNetの同僚の1人は、記事の中で「Surface RT」の失敗はWindowsの死の予兆だと論じている。また別の1人は、Windows PCに競争力が失われていることが示されているという考えだ。Googleなら、その意見には同調しつつも、デスクトップコンピューティングの未来は、クラウドを活用するChromebookのものだと言うかもしれない。Chromebookの売れ行きは、その考えを裏付けているようにも見える。
Canonicalはその同じ市場を観察して、独自の意見にたどり着いた。同社は、求められているのはPCではなく携帯デバイスだと考えたのだ。一方で、われわれの多くが同時にキーボード付きデバイスを常に必要としていることも知っている。
同社が出した答えは、1つのデバイスで両方をこなすというものだ。これによって、ラップトップ(Chromebookも含めて)とスマートフォンの両方を持ち運ぶ必要がなくなる。必要なコンピューティングパワーをすべてポケットに入れて持ち運べるわけだ。同社は、オフィスやホテル、会議場、あるいは自宅でキーボードとモニタにスーパースマートフォンをつないで使い、いつでも移動できるというポストPCの未来を予想している。
人々は、これを受け入れるだろうか?私はそう思う。
ポケットに入る1台にすべてを詰め込んだポケットPC兼スマートフォンの形が、近い未来に主流になるかどうかはわからない。しかし、未来が従来のPCやラップトップのものでないことは分かっている。PCやラップトップの時代は終わったのだ。未来は、クラウドベースのデバイスやタブレット、スマートフォンのものだ。そして、CanonicalのUbuntu Edgeに似たデバイスがそれに加わってもおかしくない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。