EMCジャパンは8月6日、ミッドレンジストレージ「EMC Data Domain」の新モデルを発表した。価格は最小構成で450万円(税別)。新モデルは現行モデルより2倍以上高速化し、より多くの容量を収容できるよう、拡張性が向上したという。また、データ保護策として、仮想化環境に機能を拡張した重複排除技術の新版となる「NetWorker 8.1」とクラウド環境での機能も搭載したバックアップソフトウェア「Avamar 7」も発表した。
EMCジャパン BRS事業本部 事業本部長 遠井雅和氏
同日に開かれた記者会見でEMCジャパンの遠井雅和氏は、アジア10カ国で250人以上の規模を持つ企業のIT部門意思決定者2500人を対象にした調査データを紹介。現在のバックアップについて、「完全にバックアップデータリカバリーできると自信が持てない意思決定者が81%存在する」「バックアップ導入で生産性が落ちたと考えている人が42%存在する」などと指摘した。
こうした現状について同氏は、計画性がなくシステムを導入してしまったために、仮想サーバや物理サーバなどシステム単位でバックアップやアーカイブが必要な企業が多いという現状を説明した。「データソースを統合し、データの管理、保護をしやすくすれば、理想的なバックアップシステムに近づくことができる」(遠井氏)という。遠井氏は、バックアップ統合の解決策として同社の製品群が有効であると強調した。
Data Domainの新モデルは、バックアップとアーカイブを単一のストレージに統合できるようになっている。米EMCのアジア太平洋地域のチーフアーキテクトを務めるP.K. Gupta氏は「新しいData Domainシリーズは前世代と比べ、2~4倍高速化した上、拡張性が2~10倍程度向上した」とアピールした。これは、CPUの性能がアップしたためである。
Avamar 7では、Data Domainにファイルやグループウェア「IBM Lotus Notes」のデータをバックアップする機能を追加するなど、統合を強化した。NetWorker 8.1はバックアップを高速化できる機能「DD Boost」(オプション)に対応した結果、クライアント側の重複排除が可能となり、従来と比べ、バックアップ時間を2倍、リカバリを2.5倍高速化したという。
発表された新製品は、2013年第3四半期(10~12月)から出荷予定となっている。