3.自信:起業家には、他者から「ノー」と言われた場合であっても、アイデアを捨て去らないだけの自信が必要だ。自信のあるCIOは「己を知っているとともに、他者にアドバイスを与えたり、他者の相談に乗ったり、得意分野でイニシアティブを発揮することに抵抗を感じない」とDobbs氏は述べている。そして同氏は「また彼らは、アドバイスや意見をさまざまな人々に対して求めることにも抵抗を感じない。さらに、自信のあるCIOは責任を持ったり、自らの行動について責任を追求されることにも抵抗を感じない」と述べている。
4.不明確さを厭わない:Dobbs氏によると、これもまた成功を収める起業家を見極める試金石の1つだという。同氏は「新興企業にはきちんとしていないところや、明瞭でないところがあって当然だ。こういった状況は特に、起業初期の段階で起こり得る。起業家はその事実を理解するとともに、受け入れることを学習し、自らと自社をけん引していくのだ。IT分野の人間は生来、柔軟性に欠ける傾向がある。詰まるところ彼らは『プロセス』が好きなのであり、規格や、詳細なプロジェクト計画を好むのである。また、予測可能性も好む。しかしCIOはこういった不明瞭さに取り組む方法を学び、不明確な時期にも組織を導いていく術を身に付ける必要がある」と述べている。
5.リスクを許容する:Dobbs氏は「起業家にリスクはつきものだ」と述べたうえで、「IT組織において最も頻繁に話題に上る不満の1つに、リスクに対する嫌悪がある。起業家精神を持ち合わせているCIOは、自らの仕事にリスクがつきものであることを理解している」と述べている。
6.創造性:「起業家は難しい問題を解決する独創的な方法を考え出したり、それまで不可能であったものごとを可能にする、あるいはまったく異なった方法でできるようにする製品を生み出す。起業家精神にあふれたCIOは創造的だ。彼らは従来の考え方や、CIOの役割自体に関する旧来の捉え方から脱却している。彼らは真に『枠組みにとらわれない』考え方をし、それに従って行動し、自らと同じように振る舞う組織を作り上げる」(Dobbs氏)