ロボット学の研究をしているOpen Source Robotics Foundation (OSRF)は、米国防総省と協力して開催するロボット災害利用の競技大会であるバーチャル・ロボティクス・チャレンジ(VRC)の開催に際し、SoftLayer Technologies(SoftLayer)のクラウド基盤を開発のプラットフォームとして採用した。SoftLayerの親会社である米IBMが8月1日に発表した。
VRC参加企業は、災害発生時に通常なら緊急作業員が行う作業を、ロボットが遂行できるようにするソフトウェアの開発を課題として課せられる。VRCには世界から100以上のチームが集まり、SoftLayerのクラウド基盤により遠隔地からの参加、開発が可能となった。このバーチャル競技を勝ち抜いた企業は、VRCでテストしたソフトウェアを実際のロボットに使用するライブイベントなどを実施するVRCの次のステージへと進めるという。
OSRFがSoftLayerのプラットフォームを専門化されたフォーマットに設定し、競技チームが他のチームとは別に専用のサーバ群を操作できるようにしたとSoftLayerは説明している。
SoftLayerのAPIにより、各チームは開発環境としてIntelのデュアルコアSandyBridge CPUとNVIDIAのGPUを備えたサーバ2機を含む5機のサーバが、他チームとは他チームとは別の環境として与えられたという。各チームは必要に応じて各自のサーバをリロードでき、OSRFは各チームがシミュレーションを終了した後、サーバをリセットして初期状態に戻すことができた。
米IBMは「同競技に求められるシミュレーションレベルを実現するには、超高速で互いに通信できる機械が必要だった。SoftLayerは機械同士の通信ループを、高基準で短縮できた唯一の専用基盤であり、複雑なロボティクスのシミュレーションに必要な処理能力と速度を実現できたため採用された」と説明している。