12cを包括的に管理するEnterprise Manager
米OracleでComposite Application Management担当ディレクターを務めるJames Kao氏
Cloud Application Foundation 12cのこうした機能を最大限に活用するための管理ソフトウェアが、先日リリースされた「Oracle Enterprise Manager 12c Release3」だ。Cloud Application Foundation 12cに対する包括的な管理機能を提供する。
米OracleでComposite Application Management担当ディレクターを務めるJames Kao氏は「企業においてIT予算の64%がシステムの運用・保守に費やされている。成長のために使われる予算は20%、ビジネスを変革するために費やされる予算は15%にすぎない。Enterprise Managaer 12c Release3はこの予算割合を変更することに注力している。運用や保守にかかる予算を引き下げ、ビジネスを展開するために予算を費やせるようにする」と話す。
Enterprise Manager 12c Release3は、クラウド上のシステムの計画段階から準備、開発、試験、デプロイ、モニタリング、管理、計測、最適化といったライフサイクルすべてを管理できる。強力なモニタリング機能を備え、Java仮想マシンのレベルからミドルウェアに至るまで、ありとあらゆるコードやメモリの動きを可視化できるという。WebLogic Serverの設定を自己診断する機能も備えており、適切ではない設定を直ちに検出できるとしている。
Kao氏はさらにこう話す。「この10年間で技術は進化を遂げてきたが、今回のリリースでは異なるコンソールを統合することに注力した。つまりこれまでは既存のソフトウェアの中に使われていないデータというものが存在していたが、Cloud Application Foundation 12cではこれがすべて統合された。ワンクリックですべてのデータにアクセスできる。これは顧客にとって大きな利益だ」
Cloud Application Foundation 12cやEnterprise Managaer 12c Release3はアーリーアダプターとともに開発されており、企業で実際に求められら機能を含めている。これまでは高性能、高機能、高可用性、高信頼性、高スケーラビリティといったことに主眼をおいて開発が進められてきた製品コンセプトが、統合という次の時代の流れに移ろうとしている。