#6:公平性を保つ
全員を平等に扱ってほしい。職場の派閥関係により致命的な打撃がもたらされる場合もある。避けられないこともしばしばあるものの、できるだけ関与しないようにしてほしい。うわさをしてはいけないし、うわさ話の輪に加わってもいけない。筆者が目にした事例としては、インスタントメッセージで「ひそひそ話」として人の悪口を言い続けた結果、職場の雰囲気が悪くなってしまったというケースもある。誰かがコンピュータを立ち上げたまま席を外したら、どういった事態が起こるだろうか?うわさの対象となっていた人物を除く関係者は1人残らず人事担当役員との面談に招待され、数カ月もしないうちに全員が会社からいなくなるはずだ。
あなたの部下は、そのうちにあなたの上司になるかもしれず、あなたの上司はどこかに異動し、しばらくしてから再び上司として舞い戻ってくるかもしれない。筆者は実際、いずれの事例も見聞きしている。このため、誰に対しても常に友好的に(あるいは最低でも中立的に)振る舞うのが最善の選択肢と言える。
#7:職場では仕事について愚痴らない
仕事の愚痴を言いたくなる時は誰にでもある。われわれは、愚痴りたくなるような社会に身を置いている。仕事にはストレスがつきものなのだ。愚痴の相手が親密な間柄の人物や家族、仕事上のつながりのない友人、犬である限り問題はない。とにかく、愚痴は会社の外でこぼすようにしてほしい。
映画「プライベート・ライアン」において、ライアン2等兵の捜索、救出作戦を命じられたレンジャー部隊の中隊長を演じるトム・ハンクスは、部下に対して「愚痴は上へとのぼっていく、下ではない。常に上へとのぼっていくんだ。君たちが私に愚痴ると、私は上官に愚痴る、そしてその愚痴はさらに上に、どんどん上へとのぼっていく。私は君たちに愚痴りはしない。君たちの前で愚痴ったりもしない。このことはレンジャー部隊の兵士として知っておいてほしい」と語りかけるシーンがある。これは素晴らしいアドバイスだ。上司は会社に関するイライラを従業員の前で口にすべきではない。愚痴は蟻の一穴となる。間違いない。
職場で仕事の愚痴をこぼして給与をもらえるというのは、虫の良すぎる話というだけでなく、企業風土に不健全な被害者意識を醸成してしまう。自分にできることがあるのであれば、まずそれを実行してほしい。できることがないのであれば、可能な限り健全な手段を通じて不満の解消に取り組んでほしい。
#8:近寄りやすい雰囲気を醸し出す
新たに入社してきた人でも気軽に話しかけられるよう、近寄りやすい雰囲気をかもし出すようにしてほしい。「常連客の集まり」のような閉じた雰囲気を作り出したうえで、それを破壊しようとしたり土足で踏み込んでこようとするのが新入りだとでも言うような態度をとってはいけない。あなたもかつては新しく入社してきた人間だったはずだ。このティップスは単に、親しみやすく振る舞ったり、人々にアットホームな雰囲気を感じてもらうというものではない。6番のティップスで述べたように、新人であっても5年後には副社長になっているかもしれないという可能性を思い出してほしい。筆者は、おべっかを使ったり、長いものに巻かれることで自らの利益を最大化せよと主張しているわけではない。そうではなく、職場では全員が重要な役割を演じており、パソコンを組み立てるだけのインターン生であったとしても、「仲間として歓迎する。私に何かできることがあれば教えてほしい」と迎えるべきなのである。