ボトムアップ化するSMBのビジネス
クラウド環境の整備やスマートフォンなどの普及が進んだことで、以前はできなかったような社外との情報共有や業務のリアルタイム化が、現場の工夫次第で柔軟にできるようになってきた。
つまり、テクノロジが主導する形で現場が自らシステムを設計しようとする、欧米的なボトムアップの感覚が日本のSMBにも広まりつつあると言えそうだ。グーグルのSMBチームはこれに気づき、「これまでのSMB戦略に加えて、自社のパートナー営業スキルを大幅に向上させる」考えだという。パートナーを通じてSMBへのGoogle Apps導入を拡大させる狙いがある。営業スキルの向上を支援するインフラも構築するとしている。
一方で、保守的なSMBの中には、セキュリティや稼働率への不安から、クラウドサービスであるGoogle Appsの利用を避ける企業があるのは今も変わらない。
このあたりについて、松橋氏はGoogle Appsの稼働率のSLA(サービス品質保証契約)を99.9%だと説明する。実際の数値がこの数値を割り込めば、グーグルはペナルティを支払う。ちなみに、Google Appsの稼働率の実数値は2012年に99.983%と「大幅に向上した」とのこと。
クラウドをはじめとしたテクノロジの進展と、ビジネスニーズの変化により、企業が必要とするアプリケーションがどんな姿になっていくのか、今後も注目していきたい。