本富氏は、製品戦略に続いて、日本市場での販売戦略についても、次の5つのポイントに整理して説明した。
- 既存の顧客やチャネルとのリレーションの強化
- 大企業へのSoftware Bladeの提案
- SMB向けのMSSの推進
- クラウド、仮想化、モバイル分野への進出と新たなチャネルや事業分野の確立
- セキュリティレポートでの啓蒙
このうち、特に注目できるのは、国内で新たに開始するMSSだろう。MSSでは、チェック・ポイントのゲートウェイを24時間体制で監視して、脅威の侵入を防いだり、専門性の高い人材やスキルの投入で、セキュリティ運用を最適化したりする。たとえば、1日数千件に達するようなログを分析して、1週あたり数件のアラートだけを抽出するといったサービスを提供する。
「MSSは、海外ではISPなどのサービスに組み込んで大きなビジネスになっている。日本ではまだゼロに等しいが、すでにいくつかのサービスプロバイダーとPoC(Proof of Concept=システムの概念実証)や実機検証の話し合いが進んでいる」(本富氏)
大企業向けのMSSは、来年の1月か4月から始まる新サービスの中にプロバイダーがMSSを組み込む形で提供する予定という。一方、SMB向けのMSSについては、パートナーとの話し合い進んでおり、年内にも提供を開始する。パートナー向けにも中小規模向けに注力することで、パートナーの利益が減少することがないように、アプライアンスやMSSのサーバをレンタルし、顧客数に応じて利益が伸びるような成長モデルを提案していくという。
本富氏は、8月1日付で代表取締役社長に就任。1963年生まれで、北海道大学工学部卒、米ピッツバーグ大学MBAを修了。これまでにTRADOSジャパン(現SDLジャパン)、日本ネッテグリティ(現CA Technologies)を経て、ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンで代表取締役社長を務めた経験を持つ。