SAPジャパンは8月22日、リレーショナルデータベースであるSAP Sybase Adaptive Server Enterprise(SAP Sybase ASE)上で稼働するSAP Business Suite向けに災害対策機能を提供すると発表した。本番システムへの影響をおさえつつ、ウォームスタンバイ状態からリアルタイムでデータを引き継げるという。
同機能はSAP Sybase Replication Server上で利用可能となる。トランザクションログの複製を高速で行うデータ複製技術を使用し、セカンダリーサイトへの引き継ぎ(フェイルオーバー)をリアルタイムで行うことができる。また、オペレーションが復旧した際には、プライマリサイトを本来の稼動、待機系の構成へ容易に戻せる(フェイルバック)という。SAP Sybase Replication Serverは、SAP Sybase ASEを本番稼働している顧客向けに無償で提供される。
これにより、可用性の高い災害対策が可能となり、SAP Sybase ASE上で稼働するSAP Business Suiteのアプリケーションは、プライマリの本番システムが使用できなくなるような状況になっても、システム停止によるダウンタイムのコストやビジネスリスクを回避することができる。
SAP Sybase Replication Serverのログベースのトランザクション複製技術により、プライマリサイトはパフォーマンスを損なわないという。さらにプライマリサイトからの距離に関わらず、複数のセカンダリサイトが作成できるため、企業が置きたい場所にデータを収容できるとした。