MM総研所長の中島洋氏は「今回の調査を通じて、日本の情報化の歴史が大きな転換点に差し掛かったと実感させられた。クラウドが今後の企業の情報投資の主軸になっていくことをはっきり示す結果が出た」と説明した。
「クラウドはただの流行語ではなく、情報システムの利用形態として、日本産業界に定着し始めたことを意味する。それと同時に、企業がクラウドサービスで注目するポイントにも変化が表れて、大幅なコストダウンの効果よりも、セキュリティの観点からクラウドを選択する企業が多数を占めた」(中島氏)
その一方で中島氏は「クラウドが一つ前進して新しい時代に入ったが、ユーザー企業が求めるセキュリティの内容についても今後、変化が出るか注目する必要がある。元米CIA職員の告発をきっかけに、米国のデータセンターに情報を保管することに不安を感じるユーザー企業も増える気配がある。クラウドサービスが急速に変化する時期に入ったのではないか」とも指摘した。
今回の調査は、ウェブを利用したアンケートで4599社に予備調査、1562社を対象に本調査した。調査期間は6月28日~7月5日。情報システムとネットワークの管理担当者や運用担当者、決裁や選定に関与する立場にある担当者が対象となっている。詳細な分析を加えたレポート「国内クラウドサービス需要動向」を8月下旬に発刊する予定としている。

(出典:MM総研)