「ストレージ仮想化はサーバの時より早く普及する」 --米データコアのホークCOO - (page 2)

岡田靖 山田竜司 (編集部) 2013年09月05日 07時30分

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SSDの普及がSDSを後押しする

 高速I/Oの要求がSDSの追い風となる、その背景にはSolid State Drive(SSD)の存在がある。フラッシュメモリを用いたSSDは、磁気ディスクによるHDDより高速なアクセスが可能で、特に回転待ちが生じるHDDに比べてランダムアクセス性能が高い。大規模トランザクションを受けるDBでは、このランダムI/Oの能力が特に重要視されるため、システムにSSDを取り入れようとする動きが広まってきている。

 一方でSSDは容量あたりのコストがHDDより高く、大規模DB全体を格納しようとすれば膨大な予算が必要だ。とはいえ大規模DBの中でもアクセスが集中するのは一部に限られるのが普通であり、アクセス頻度の高い部分だけをSSDに、他の大部分をHDDに格納するようにすれば、コストとパフォーマンスのバランスが取れる。これがストレージ仮想化技術の大きなポイントの1つ、階層化ストレージと呼ばれる概念だ。

 ちなみにSSDにも種類があり、HDDを用いたディスクアレイと同じインタフェースを持つ比較的大容量のもの(「オールフラッシュアレイ」とも呼ばれる)が一般的だが、最近ではサーバ内の拡張スロットに直接搭載するPCI-Express(PCIe)フラッシュも出回ってきている。

 PCIeフラッシュは非常に高速なアクセスが可能となる一方、サーバ内に装着することから冗長化や階層化などが難しく、こうした活用をしようとするならやはりSDSがほぼ不可欠となる。一方、前者のオールフラッシュアレイでも相当な高速アクセスが可能で、ローエンドのものでもHDDによるディスクアレイの数倍、ハイエンドになれば100倍近くのI/O性能を持つ。

 「今のところ、PCIeフラッシュを必要とするシステムは高頻度のアクセスが集中するトレーディングシステムなど一部に限られます。それでも、例えばFacebookがティア1(階層化したストレージの中で最も高速な部分)にこれを採用するなど、いくつかの事例が出てきています。ドイツの大学病院ではSAPによる病院経営システムに取り入れ、パフォーマンスを4.5~8.3倍に向上させ、かつトータルのシステムコストも下がったという事例もあります。一方、オールフラッシュアレイの方は汎用性が高く、ほとんどのユーザーをカバーできます。こちらもまだスタンダードではありませんが、12~18カ月くらいの間にはオールフラッシュアレイを使ったデータセンターも珍しくなくなることでしょう」(ホーク氏)

ストレージ仮想化市場は、これからサーバ仮想化より早く伸びてくる

 日本での状況はどのようなものか。ホーク氏は「まだHDDのディスクアレイを使っている企業がほとんどで、I/O能力が頭打ちになっているのを『これ以上は無理』と諦めているような印象があります」と語る。

 新技術の導入には全般的に保守的な傾向のある日本、ストレージ仮想化についてもやはりこれからだという。ホーク氏は、かつてVMwareでセールスやチャネル担当のバイスプレジデントとして勤務してきた経験から、これからのストレージ仮想化市場に好感触を得ているという。

 「とはいえ、どの地域でもストレージ仮想化のニーズは高まっています。5年前を考えれば、これほどのニーズはありませんでした。ストレージの課題が高まったこと、SSDなど新しい技術が登場したことなどから、近年になって急に注目されるようになってきたのです。ストレージ仮想化の普及は、サーバ仮想化のときより早く進むと感じており、米国や西ヨーロッパ、そして日本や新興国といった順に、市場は拡大していくはずです。例えば中国などでも導入に積極的なユーザーが顕著に増えていますし、日本でもこれから市場が立ち上がってくるでしょう」(ホーク氏)

 なお、ストレージ仮想化を手掛けるのはサーバやストレージのベンダーが多い。その中で同社の「SANsymphony-V」は、特定のサーバやストレージのベンダーに依存しないSDSサービスとして多くのCIOに好感触を得ているとのことだ。サーバ仮想化におけるVMwareと似たようなポジションを占めているといえよう。ただしSANsymphony-Vには、VMwareに対するXenのような、直接の競合がほぼ存在しない。このことはメリットとデメリットの両面が考えられる。

 「SANsymphony-Vのような製品は、他にほとんどありません、強いて挙げれば『NexentaStor』がありますが、15年の歴史を持つわれわれからみればまだまだです。競合がいないことは、市場の立ち上がりが遅れる要因としても考えられますが、ソフトウェアベースの仮想化は開発に時間がかかるもの、VMwareでもワークステーション版リリースからエンタープライズ版の『ESX』まで8年を要したのです。ましてやストレージ仮想化では他のストレージデバイスをコントロールするのが難しいので、追随には時間がかかると思います」(ホーク氏)

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