Smith氏は、ホンダがIBMのアナリティクス技術を活用したバッテリトレーサビリティシステムを開発したことを紹介。電気自動車(EV)から発信されるバッテリに関する情報を把握し、バッテリのライフサイクル全体をサポートする仕組みが実現したという。
だがその一方で、「2015年までにデータの80%は不確実なものになる。また、データを容易に扱えることや迅速に活用できるものが求められる。アナリティクスに関する包括的な機能が求められており、それを提供するのがIBMである。ガートナーによると、IBMは過去4年間にわたってリーダーのポジションにある」と自社の優位性を強調した。
アナリティクスの状況をインタラクティブに可視化し、データの傾向を即座に把握できる機能として、2012年10月に発表した「RAVE(Rapidly Adaptive Visualization Engine=レイブ)」について説明。今夏にBIソフトウェア群「IBM Cognos BI 10.2.1」のひとつの機能としてRAVEを提供したことに触れながら、先進的なビジョアライゼーション機能でデータを簡単に可視化する様子を実演してみせた。
Smith氏はまた、統計解析ツール「SPSS Analytic Catalyst」で使いやすいユーザーインタフェースを活用しながら統計処理ができることを示しながら、「SPSS Analytic Catalystは、高度な統計知識が不要となり、アナリティクスに関するスキルギャップを埋めることができる。また、ビッグデータで重要な技術であるHadoopをサポートしており、Hadoopディストリビューション内のデータとも連携できる」などと語った。
Smith氏は「アナリティクスをビジネスの基盤に取り入れることが必要である。IBMでは、予測品質の向上に努力しており、イノベーションと専門性に投資している。ここにいるみなさんは、ビッグデータとアナリティクスに向けた準備はできているのか、プランは立てているのか。それによって、業界平均以上の成長を目指したいのか、意味のあるイノベーションを生むことができるのか、そうしたことを考えてほしい」と観客に呼びかけた。