「Micro-Momentでアプリケーションの定義も変わる。シングルページのアプリケーションで、どこからでもアクセスできること、コンテクストや位置情報といったものを意識する必要が出てくる」(Wall氏)
この場合のコンテクストとは、ユーザーの属性や好みなどをアプリケーション側で認知しておく必要があることを意味する。ビジネスアプリケーションの場合、どのデータ、どのアプリケーションにアクセスする権限を持っているのかとともに、そのユーザーの属性などのコンテクストを考慮することで、アプリケーションを起ち上げると最適な情報が表示される仕組みとなる。
位置情報も同様で、そのユーザーの現在地に合わせた情報を提供することで、最適な情報を短時間に見つけ出すことにつながる。Micro-Momentでは重要な要素だ。
テクニカルプラットフォームマーケティング担当ディレクター Quinton Wall氏
Salesforce.comでは、「Salesforce Mobile Pack」を提供する。このプラットフォームはHTMLでビジネスアプリケーションを開発するためのもので、JavaScriptの主要フレームワークを採用し、ドラッグ&ドロップでの開発、オプションでC#も使用可能と、これまで開発業務を行ってきた開発者にとっても移行しやすい環境を揃えている。
HTML5、CSSを使える20種類の以上のテンプレートを用意し、ビジネスでの典型的なMicro-Momentmのシナリオに対応する。これまで経験がなかった開発者でも開発業務に参加しやすくなる環境を揃えたと説明する。
まもなく、Salesforceの新版となる「Winter '14」がリリースされるが、SaaSで提供されるユーザインターフェース開発ツール「Visualforce」でHTML5の要素を取り入れるなどの進化も見せるという。
「エンタプライズアプリケーションは縦割りではだめ。バックエンドのアプリケーションのユーザーデータや、クラウドアプリケーションともつなげていくことが必要。Salesforceを革新的なクラウドテクノロジレイヤと捉え、モバイルアプリケーションとシステムとの接続にSalesforceを活用することで、縦割りではないモバイルアプリケーションの開発が実現する」(Wall氏)
日本で今回初めて公開された「Mobile SDK 2.0」について「開発者の生産性を大幅に向上させる内容となっている」とWall氏は自信を見せ、開発者の利用を呼びかけた。