モバイル、クラウド、ビッグデータ、アナリティクスで構成されるテクノロジ第4の波をどう乗りこなすか--IBM講演 - (page 2)

大河原克行

2013-09-11 16:57

 日本IBM GTS事業ITSデリバリー担当の小池裕幸執行役員は、「次世代を見据えたITインフラストラクチャーのアプローチ」をテーマに講演。「いま、既存のITシステムが通用しない変化が起きている」とし、「全世界に50億個のインテリジェンスデバイスが存在し、ビジネスユーザーの20%がコミュニケーション手段をメールからソーシャルに変化させること、モバイルデバイスで商品を購入する人が67%に達するなどの予測データがある。

 こうした変化によって、ITシステムはこれまでの効率を求める目的から、売り上げ、利益に貢献するための新たなアプローチが求められている」とした。


日本IBM GTS事業ITSデリバリー担当の小池裕幸執行役員

 さらに、「従来のコンピュータシステムは、堅牢性、データ保全性、定形対応が重視されており、現在の品質を保証する仕組みもそれに則っている。これは企業活動を記録するSystems of Recordといえるものである。利用するユーザーが限定されることから定形化が可能であり、事前の要件定義が可能になる。

 また、ウォーターフォール型の開発手法が通用できる。しかし、今求められている新たな個客接点システムは、個客接点構築、即時対応、反復対応、自動最適化が重視されている。これはSystem of Engagementと呼ばれるもので、個客と絆を強めるためのシステムである。ここでは利用者が不特定多数であり、市場や顧客の反応にあわせて柔軟に変化し、アジャイル型の開発手法が適している」などと語った。

System of Engagement
System of Engagement

 加えて、「ソーシャルは、新たな時代の天然資源だと言われる」とし、「ある企業には、1日120万件の投稿があるが、そのうち、0.1%強の1311件が企業にとっての重要な情報であることが分かった。そのうち、営業のアクションにつながるのは、1日に250件しかないが、その取り組みが年間450億円の売上高増加につながったという。大量のデータをこのように活用ができる時代がやってきた」という。

 一方、同社では、ITインフラを革新するためのプログラムを新たに用意したことを発表。クラウドへの活用に取り組むための「クラウド適合度アセスメント」、ITインフラの現状評価と最適化のためのロードマップを策定する「ITインフラ・アセスメント」、セキュリティの現状を評価する「セキュリティ・アセスメント」を提供することを明らかにした。

 そのほか、IT Leaders' Vision 2013では、日本IBM グローバル・テクノロジー・サービス事業担当の下野雅承取締役副社長執行役員が「変化するビジネス、進化するテクノロジー、CIOのチャレンジ」をテーマに講演。「ソーシャル、モバイル、アナリティクス、クラウドの頭文字をとったSMACの時代が訪れている」などと述べた。また、特別講演として、「チャレンジ、リーダーシップ、マネジメント」をテーマに、アドベンチャースキーヤーの三浦雄一郎氏が講演した。

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