リクルート流ビッグデータ活用術

SUUMOのリコメンド施策から--分析結果を施策に落とすコツ - (page 2)

吉永恵一(リクルート住まいカンパニー データサイエンティスト) 

2013-09-19 07:30

SUUMOのウェブリコメンデーション

 今回は、仮説発見から仮説検証までの流れを踏んだ分析結果を施策に接続した事例として、SUUMOの新築マンション領域で実装したウェブリコメンデーションをご紹介します。SUUMOでは、現在、顧客の物件検討を後押しするために、顧客の嗜好に合った物件をウェブ上で推薦する取り組みを実施しています(図3. ウェブリコメンデーション「新築マンション領域」を参照)。



図3. ウェブリコメンデーション(新築マンション領域)

 世の中にあふれている2次データやインタビュー、アンケート、アクセスログなどさまざまなデータの分析結果から、顧客が物件を検討する際に重視する項目の仮説を持ち、それら仮説を基に分析アルゴリズムを構築しました。そして、今回構築したアルゴリズムにより、資料請求などのコンバージョンがどれくらい増加するのかを実証実験で確かめ、実装可否を判断したという事例です。

 まず、物件検討時にカスタマーがどのような物件属性(エリアや、価格、間取り、駅徒歩、駐車台数など)を重視するのかの仮説を得るために、マーケターの持っている暗黙知をヒアリングしたり、公表されている意識調査を調べたり、物件購入検討者に対して1対1で行動の動機付けなどを探る「デプスインタビュー」を実施したりして、仮説を強めていきました。さらに、それら定性的な情報がどれくらい重視されているのかという定量情報を、顧客はどの点に重きを置いているのか探る“コンジョイント実験”と呼ばれるウェブアンケートを用いた調査実験に基づき導出しました。

 それら分析結果から「エリア、間取り、価格」など複数の物件属性を基に物件を出し分ける推薦アルゴリズムを構築し、既存のものとABテストで勝負させ、新しいものを採用することになりました。今では、カスタマーの重視する物件属性は検討段階によって変化するのではないか、という仮説から、カスタマーの時間変化する嗜好もアルゴリズムに取り込み、CVRを15%アップさせることに成功しています。

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