コンカー、出張経費管理SaaSを日本で提供--楽天トラベルと提携

大河原克行 2013年09月17日 15時07分

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 コンカーは9月17日、クラウド型出張経費管理サービス 「Concur Travel(コンカートラベル)」日本版の提供を開始した。

 Concurは、世界第2位のSaaSプロバイダーであり、全世界1万8000社、2200万人のユーザーが利用。Fortune 500の61%が同社の出張管理クラウドサービスを利用しているという。日本法人は2011年2月に設立。国内市場向けに経費精算の「Concur Expense」などをSaaSで提供しており、国内だけで43社、外資系企業による国内利用は280社に達している。

 今回サービスを開始するConcur Travelは、出張予約や出張管理を支援するクラウドサービスで、スマートフォンやPCを通じて、場所を選ばずに社内規定にのっとった出張申請、航空券と宿泊の予約が可能であり、予約情報は自動的にConcur Expenseと連動する。経費精算情報を自動生成し、出張に関係する業務の効率化を実現するほか、企業全体の出張費用や経費を完全に可視化できるため、合理的で戦略的な視点でコストを最適化できるという。


コンカー 代表取締役社長 三村真宗氏

 コンカー代表取締役社長の三村真宗氏は、「“T&E(Travel & Expence)”は、業務改革のホワイトスペースと呼ばれてきた。企業での旅費や出張費は、交際費の1.6倍の規模となっており、今後は業務改革のトップアジェンダにしてもらいたいと考えている。旅費や出張費プロセスの最適化に切り込んでいく」と意気込みを見せた。

 「これまでの出張経費の精算は、出張後に処理することがメインであったため、出張規定の理解が不十分な従業員が悪意がないままに経費規定違反をしてしまい、経理部門の作業が繁雑になるといった問題がどんな企業でも起こっている。コンカーでは出張前からプロセスを管理し、問題発生を未然に防ぐことができる」(三村氏)

 日本でのサービス展開では、国内旅行サイトの最大手である楽天トラベルと提携。楽天トラベルが提供する国内ホテル予約サービスとの連携機能を共同で開発した。「出張が多いビジネスマンにとって利便性が高く、企業にとってもコストの可視化が可能となる。日本の市場にあわせたサービスを提供できる」(三村氏)という。

Concur Travelの画面 Concur Travelの画面
※クリックすると拡大画像が見られます
説明 Concur Travelと楽天トラベルとが連携した画面
※クリックすると拡大画像が見られます

 楽天トラベルは、国内2万8745件、海外では6万1205件のホテルと契約。8月には月間384万泊を取り扱っており、2013年度第2四半期(7~9月)だけで前年同期比37.3%増の1370億円の予約流通額という。

 三村氏は、「国内の出張支出の半分がホテルの費用が占めていること、ホテルは多くのサプライヤーが分散しており、コスト最適化の余地があるため、楽天トラベルと提携した。世界トップシェアの出張管理クラウドサービスと国内トップシェアのホテル予約サイトが戦略的に協業することで、日本全域の宿泊施設をカバーできる」と提携の背景を説明した。

 Concur Travelと楽天トラベルが連携したサービス開始は、2013年内が目標。楽天トラベルにとっては、コンカーが持つ全世界の顧客が訪日する際の需要取り込みが図れることになるという。

 今後3年間で国内300社への導入を図る。料理体系は、完全従量課金制となっており、1トランザクションあたり数百円となっている。


楽天トラベル 代表取締役社長 山本考伸氏

米Concur CEO Steve Singh氏

インバウンド予約を強化する楽天トラベル

 楽天トラベル代表取締役社長の山本考伸氏は「ビジネスや出張といったワードで検索すると、楽天トラベルには5000件以上のプランがあり、ビジネス予約流通は2001年以降、年平均成長率は19%で右肩上がりで成長している。現在はインバウンド予約を強化しており、参画企業数は5500軒から1万8000軒に増加している。今回の提携でインバウンド需要増を期待しているほか、グローバルに展開するきっかけとなる。今後は、グローバルにおけるコンカーとのパートナーシップにも期待している」と豊富を述べた。

 会見にあわせて来日した米Concurの創業者であり、最高経営責任者(CEO)のSteve Singh氏は、「当社は、ビジネス出張をバイヤーとサプライヤーを含めたひとつのエコシステムとして考え、世界で初めて、パーフェクトトリップのビジョンを実現している」と同社のスタンスを説明した。

 「今回の楽天トラベルとの連携で、全世界約2万社のユーザーが日本国内の予約サイトにアクセスできるようになり、楽天トラベルのグローバル化も支援できる。国内ユーザーにとってはさまざまな宿泊先を選択肢でき、作業を効率化し、会社への出張予定計画も自動的に提出できる。会社にとっても出張者に対する注意義務を遂行できる環境が整うことになる。Concur Expenseは、日本ですでにSuicaやPASMOと連動した公共交通機関モジュールを搭載しており、今回のConcur Travelで楽天トラベルと連携することで、日本ならではの仕組みを取り入れることになる。これは、日本でのビジネスにとっても大きなステップになる」(Singh氏)

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