アクセンチュアは9月26日、国内で提供するアナリティクス関連の主要7サービスに関する記者説明会を開催。6月18日に発足させたアナリティクスの専門組織「アクセンチュア アナリティクス」に所属し、実際にプロジェクトを担当しているマネジャーらがサービスの特徴や国内実績をアピールした。
発表された主要7サービスは、「ソーシャルメディア・アナリティクス サービス」「アップリフトモデリングを活用した回収業務効率化サービス」「アナリティクス研修・技術検証診断サービス」「M2M/ビッグデータ・アナリティクス サービス」「アクセンチュア・レコメンドサービス(ARS)」「在庫・補充最適化サービス AFS(Accenture Fulfillment Service)」「マーケティング領域のビジネス・アナリティクス サービス」になる。
アクセンチュア アナリティクス 日本統括 工藤卓哉
アクセンチュア アナリティクス シニア・マネジャー 福崎洋平氏
アクセンチュア アナリティクス マネジャー 野村一仁氏
アクセンチュア アナリティクス マネジャー 恩田淳氏
アクセンチュア アナリティクス日本統括の工藤卓哉氏は、国内のアナリティクスビジネスの状況について「案件が充実してきており、稼働率は100%を超えている。アナリティクスをどこに活用すればいいか展開先が見えにくく投資に躊躇するという段階から、さまざまなシーンに展開してこれから果実を摘み取ろうという段階に入った。中にはマネタイズについて実証実験を始めているユーザー企業もいる」と説明した。
こうした好調ぶりは、国内企業におけるアナリティクスに対する実際のニーズを高まりを反映したものとも言える。特徴や事例については、シニア・マネジャーの福崎洋平氏、アナリティクスマネジャーの野村一仁氏、アナリティクスマネジャーの恩田淳氏が分担して説明した。
ソーシャルメディア・アナリティクス サービス(ASMA)
ソーシャルメディア上のデータを自動的に抽出、分類し、さまざまなアクションに結びつけられるようにするサービス。アクションの例としては、商品の開発や改良に向けたユーザーニーズの把握(製造業や金融業の事例)、関連商品や提供サービスの顧客満足度の把握(通信業の事例)、誹謗中傷コメントの早期発見と拡大防止(非営利団体の事例)、不正利用や違反の発見、不具合や障害の早期発見と詳細情報収集、アクティブサポートなど。
「ソーシャルメディア分析でよくある課題は、“ツールを試したが欲しい情報が得られなかった”“ノイズが多くてうまく分析できなかった”“結果が当たり前だった”といったもの。こうした課題に対しては、分析の目的を明確にすること、分析に適したデータを抽出すること、適切な分析手法を用いることの3つがポイントになる。ASMAでは、多様な統計的な手法で経営目的に即して分析し、次のアクションにつなげる」(福田氏)
アップリフトモデリングを活用した回収業務効率化サービス
売掛金やローン、保険料などの回収業務を効率化するサービス。「アップリフトモデリング」という分析手法で最適なタイミングと予防や督促のターゲットを見極められることが特徴という。滞納額全体を上げるためには、納付率を向上させることと応答率を向上させることの2つのアプローチがある。
納付率向上については、最適なタイミングで督促して“取りこぼし”を防ぐ。一方、応答率向上については、効果の高い滞納者に督促し1回あたりの督促効果を向上させる。自治体における滞納税金回収の事例では、応答率が10%向上、納付率が2%向上し、年間約4億円相当の効果があったという。
アナリティクス研修・技術検証診断サービス
分析プロジェクトを推進するために必要なスキルや知見を習得するための研修診断サービス。メニューとしては、分析に必要な知識の習得(統計理論研修、分析ツール研修)、分析の実践(分析工程研修、既存モデルの診断)、分析の定着化(PDCAの定着、処理基盤、組織設計)がある。
「分析を経営につなげることが大切で、そのためには分析の6つのステップである、目的の定義、仮説検討、データ準備、分析、精度評価、運用をスームレスにつなぐスキルや組織が必要になる。研修サービスは、スキルや知見を習得した人材を最適に配置し、PDCAサイクルをまわすところまで実現していく」(野村氏)