最後に、鈴木氏らしい見解を紹介しておこう。「私に言わせれば、インターネットはもともとソフトウェアと同じ領域にある」と語る同氏にとってSDNの出現は必然のように見て取れる。日本でインターネットの宣教師役を果たしてきた同氏だからこそ、SDNに大きなポテンシャルを感じているのかもしれない。冒頭の発言は、そんな同氏の注目すべき予見である。
「今回の新製品・サービスでユーザーのデジタルライフを丸ごと守っていきたい」
(トレンドマイクロ 大三川彰彦 取締役副社長)
トレンドマイクロ 取締役副社長 大三川彰彦氏
トレンドマイクロが9月19日、コンシューマー向けセキュリティソフト「ウイルスバスター」シリーズの新製品およびサポートサービスを発表した。大三川氏の冒頭の発言は、その発表会見で、今回の新製品・サービスがユーザーに提供する価値を述べたものである。
今回、同社が発表した新製品・サービスは、Windows/Mac向けの「ウイルスバスター クラウド」、スマートデバイス向けの「ウイルスバスター モバイル」、パスワード管理ツール「パスワードマネージャー」、無料のWindowsストアアプリ「トレンドマイクロ コネクト」の4つ。これらの詳しい内容については関連記事を参照いただくとして、ここでは大三川氏が語った新製品・サービスがユーザーに提供する価値に焦点を当ててみたい。
大三川氏はまず、セキュリティにおけるユーザーを取り巻く環境の変化として、デバイスが多種多様になってきたことによる紛失・盗難・不正アクセス、クラウドやSNSが普及してきたことによるプライバシー情報の漏えい、アプリケーションが豊富になってきたことによる不正アプリケーションやウイルス といったリスクが増大していると説明した。
そうしたリスクを踏まえ、同社では今年5月、多様化するデバイス環境を保護する「デバイスプロテクション」、クラウドやSNSを安全に楽しむためのデータ保護を行う「データアクセス」、豊富なアプリケーションをより安全に利用できる環境を提供する「ダウンロードアプリ」の頭文字を取った「3D戦略」を打ち出し、同戦略に基づいた製品・サービス展開に注力している。
今回の新製品・サービスも同戦略に基づいた形で、とりわけ「SNS対応機能の強化」「プライバシー保護の拡充」「サポートメニューの増強」の3点を前面に押し出している。そして、これらによって冒頭の大三川氏の発言にあるように「デジタルライフを丸ごと守る」ことをユーザーに提供する価値としている。
モバイル、クラウド、SNSなどはまさしくITトレンドのキーワードだが、それらに対応するセキュリティソフトの進化ぶりもまた目を見張るものがある。同社の今回の発表を目の当たりにして、あらためてそう強く感じた。
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