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情報通信白書に見る情報通信政策の現在と未来(前編) - (page 2)

田島逸郎

2013-10-03 07:30

G空間情報の活用

 地理空間情報は、従来の地図の枠を超えて重要度を増している。例えばGPSを搭載したスマートフォンの普及は、位置情報を利用したソーシャルメディアや、Online to Offline(O2O)といった新たなマーケティングやサービスの流れを加速させている。

 また、行政機関においても、地理情報システム(GIS)が税務や都市インフラなど従来使われていた範囲を超えて、防災や福祉、観光などにも活用され始めている。

 このように、地理空間情報は近年のICTの基盤となりつつある。政府は地理空間情報に「G空間情報」という愛称を名付けて変化に対応したデータの整備を進めている。G空間情報が目指すものは、地理空間によって情報をつなげることでヒト、モノ、情報の可視化、共有を進め、共創などを促進することである。

 いくつかのイメージが提案されている。経済の活性化や便利な暮らしを実現する「共創型元気経済社会」、社会インフラや防災に活用する「共助型安心安全社会」、地域のつながりを深めて地場産業や安心な地域コミュニティを実現する「共生型地域活力社会」の3つが提示されている。


共創型元気経済社会における利活用イメージ 出典:「平成25年版情報通信白書」(総務省)、原出典:総務省「G 空間× ICT 推進会議報告書」

 G空間の活用に向けて、総務省では円滑にG空間情報を取得、連携できるオープンデータ・プラットフォームの構築、リアルタイムな防災システムの構築、先進的な農業や交通などの事例を試す「G空間シティ(仮称)」などの施策を提案している。

事業活動の変化

 近年のICTの変化で、事業活動にも大きな変化が起こっている。その1つが「モノづくり」から「コトづくり」への変化である。コトづくりとは、モノとサービスを一体として扱い、全体としての価値を提供することである。

 特に近年では、ソーシャルメディアの普及によって消費者やユーザーを巻き込んで価値を創造していく「オープンイノベーション」「イノベーションの民主化」などが起こっている。さらには、ユーザー自身が価値を創造していく「N次創作」も、主にオンラインで始まっている。そのためには、オープンなコラボレーションが重要である。


「コトづくり」概念の広がり 出典:「平成25年版情報通信白書」(総務省)、原出典:総務省「「コトづくり」の動向とICT連携に関する実態調査」(平成25年)

 最近はO2Oなどの新しいトレンドがマーケティングなどに幅広く影響を及ぼしている。また、ソーシャルメディアも変わらず注目を集めているが、見込みどおりの結果にならない場合もよく起きている。従業員の私物端末を企業内でも利用するBring Your Own Device(BYOD )の導入も増えているが、非公式であったり、ポリシーが整っていなかったりすることが多い。

ビジネスにスマートICTの考え方を取り入れる

 スマートICTは非常に広い世界観だが、差し当たって近年のビッグデータ、クラウド、スマートフォンなどが、それぞれ関連しているということはビジネスでも役に立つ。多くの情報を常にどこでもやりとりすることができ、それが生活につながっていく。その手段として各技術を地理空間情報などを通じて適切にまとめていくことが重要だろう。

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