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コンタクトレンズ型端末も--SGIのゴウCTOが見通すテクノロジの未来

大川淳 怒賀新也 (編集部)

2013-10-10 12:41

 米SGIは、高性能コンピューティング(High Performance Computing:HPC)と可視化技術を得意とする企業として知られる。卓越したグラフィックス処理能力を持つコンピュータを擁し、かつては、ハリウッド映画のCG制作にも多用された。

 SGI(Silicon Graphics Inc.)は2009年4月に連邦倒産法第11章の適用を申請して倒産し、Rackable Systemsによる事業買収が発表された。同年5月に買収が完了し、Rackable Systemsは社名を「Silicon Graphics International(SGI)」へと変更したという経緯がある。

 近年は、ビッグデ-タ関連の分野でも、存在感を示すようになっている。現在、最高技術責任者(CTO)として、SGIの技術部門を率いるEng Lim Goh(イング・リム・ゴウ)氏に、同社の戦略とIT産業の展望を聞いた。

HPC、クラウド、そしてビッグデータが新たな柱に

SGIのCTOを務めるGoh氏は「Google Glass」をかけていた
SGIのCTOを務めるGoh氏は「Google Glass」をかけていた

--現況のSGIの事業構造は、どうなっているか?

 SGIの事業には、3つの柱があります。スーパーコンピュータをはじめとするHPC、クラウド事業者にサーバを提供するクラウドサービス、そして、顧客からの要望で3年ほど前から始めたビッグデータです。売り上げ構成は全体の半分がHPC、そのほかはクラウドとビッグデータがそれぞれ半々というイメージです。

 とはいえ、クラウドとビッグデータの間に明確な境界線を引くのは、いささか困難です。一方、ビッグデータとITインフラ関連は明確に分類できます。逆に、HPCとビッグデータの間の区分は、あいまいになってきています。新しい技術は進化すると、他の要素との境界線が明確になったり、逆に曖昧になったり、そういう経過をたどるものなのです。

ビッグデータの3つの「V」

1996年の時点でBig Dataという言葉を使っていたとアピール
1996年の時点でBig Dataという言葉を使っていたとアピール

--ビッグデータはどう扱っているのか?

 ビッグデータは、10年ほど前はそれほど一般的ではありませんでした。ビッグデータという言葉自体、初めて使い出した企業のうちの1社がSGIだったのです。1996年に当社は、初めてこの用語を提示しています。分析する際には、まずシステムにデータを取り込みます。われわれは「ingest」という言い方をするのですが、これはマシンがデータを摂取するといった意味です。

ビッグデータの元となるデータとしてHPC、ソーシャル、センサから得られたデータを想定する
ビッグデータの元となるデータとしてHPC、ソーシャル、センサから得られたデータを想定する

 ビッグデータの特徴を「3つのV」で表現することがあります。「Variety」(多様性)、「Velocity」(速度)、「Volume」(量)です。それぞれの尺度のどれに焦点を当てるかで、必要なシステムや分析の仕方は変わってきます。

 データ源のカテゴリは3種類あります。HPC、ソーシャル、センサです。データへの光の当て方は、顕微鏡から望遠鏡まで、さまざまです。HPCでは膨大な量のデータをシミュレーションするわけです。1日あたりのデータはギガバイト、テラバイト、ペタバイト、さらにはエクサバイトの規模に至るまで激増しています。

 例えば、電波望遠鏡の「Square Kilometer Array」は口径15mmのアンテナ2000台で構成され、集光面積1平方キロメートルであり、ここから出るデータが1日あたりエクサバイトの水準です。2016年に着工する予定ですが、アンテナ群が南アフリカとオーストラリアに分散する形で建設されます。オーストラリアでの実験に対応する設備に、当社はストレージを納入しています。

 ビッグデータのソリューションは、主として生物学関連、ライフサイエンス、ゲノム解析などの領域に提供しています。ライフサイエンスでは、疾病の引き金となるタンパク質を特定することを実現するブレークスルーに貢献しました。最近では、どのようなタンパク質なのかが重要ではなく、それらの相互作用や遺伝子のネットワークがどうなっているかとの視点が重視されています。さらに、eBay、PayPalの不正検出などに利用されるとともに、金融機関や政府機関も新たな顧客となってきています。

ソーシャルメディアにおけるビッグデータ
ソーシャルメディアにおけるビッグデータ

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