ジワリと存在感増す「第3のプラットフォーム」--IDC調査

山田竜司 (編集部)

2013-10-10 17:28

 IDC Japanは10月10日、国内リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)市場およびアプリケーションサーバ市場の予測を発表した。2012年の国内RDBMS市場規模は前年比7.0%増の1775億7100万円、アプリケーションサーバ市場規模は前年比5.7%増の655億8500万円だった。

 IDCではSaaS/PaaS/IaaS分野を「第3のプラットフォーム」(第3)と定義し、それ以外は「第2のプラットフォーム」(第2)としている。

 この分類に基づく2012年における国内RDBMS市場規模に占めるプラットフォーム別売上構成比は、第2は95.8%、第3が4.2%だった。同じ年の国内アプリケーションサーバ市場規模のプラットフォーム別売上構成比は、第2が88.3%、第3が11.7%だった。

 国内RDBMS市場について、2012~2017年の年平均成長率(CAGR)は8.1%で2017年の売上規模は2619億1500万円と予測する。2017年の同市場における第3の売り上げが市場全体に占める割合は9.2%にまで成長すると予測している。

 国内アプリケーションサーバ市場は2012~2017年のCAGR6.4%、2017年の売上規模は895億3000万円と予測する。2017年の同市場における第3は売り上げが市場全体に占める割合が、23.2%にまで成長すると予測する。

 各市場における第3のの売上額が市場全体に占める割合は、2012年から2017年にかけては売り上げの2ケタ成長が見込まれるという。一方、第2の成長は第3の成長と比べると低い。

 この背景として、IDCは第2のプラットフォームソフトウェアの市場成長には、汎用サーバ上で稼働するソフトが垂直統合型システムに集約されることが影響していると説明する。また、PaaSの市場規模とその成長は一部のベンダーがけん引しており、現在の顧客の選択肢が限られていることも影響があるという。

 一方、垂直統合システムはベンダーロックインなど顧客に嫌気を起こされるリスクもあるため、ベンダーは現在の事業基盤である第2で収益を上げつつ、第3へ経営リソースをシフトする準備を行うべきともコメントしている。


2012~2017年 国内RDBMS/アプリケーションサーバー市場 テクノロジープラットフォーム別 売上額構成比予測 RDBMS市場とアプリケーションサーバー市場を合算(IDC提供)

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