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記事まとめ「テレワーク常態化で見えたこと」

日本HP、大企業向けルータを国内提供--2016年に市場シェア10%を目指す

齋藤公二 (インサイト)

2013-10-17 17:59

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は10月17日、エンタープライズ向けルータ製品2シリーズの国内提供を開始した。従来国内で提供してきた1機種を刷新し、支社や拠点向けの「HP MSR」シリーズとデータセンター向けの「HP HSR」シリーズで計13モデルをラインアップした。

 価格は、小規模拠点向けのMSR930シリーズが9万300円から、ハイエンドモデルのHSR6800シリーズが469万4550円から。2016年に国内市場シェア10%獲得を目指す。


日本HP HPネットワーク事業本部 事業本部長 多田直哉氏

日本HP サーバー&ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 HPネットワーク製品企画部 深川佳公氏

 HPネットワーク事業本部 事業本部長の多田直哉氏によると、同社のネットワーク製品事業は、2年以上にわたって前年比増を続けるなど堅調。海外ですでに展開している同シリーズを含めたエンタープライズルータの市場シェアは11.7%で2位につけている。一方、国内では、スイッチを中心に展開しており、ネットワーク市場の36%を占め、約1255億円と推計されるルータの展開が出遅れていた。

 「ハイブリッドクラウド利用の増加や、コミュニケーションツールの普及、モバイルデバイスの増加などを背景に、既存のルータではパフォーマンス不足に陥っている。コストパフォーマンスに優れた高い処理能力のルータで国内市場に本格参入する」(多田氏)

 新製品の特徴は大きく3つ。1つは、他社製品の数倍となるコストパフォーマンスを実現していること。製品紹介にあたったサーバー&ネットワーク製品統括本部インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部HPネットワーク製品企画部 深川佳公氏によると、「1万円あたりのパケット処理能力(pps)は、MSR930シリーズで他社製品の3倍以上、MSR3012で8倍以上になる」という。

 2つめは、ルータ間でのVPN接続の設定や管理が簡単であることだ。同シリーズに備わる「Dynamic VPN(DVPN)」と呼ばれる、仮想私設網(VPN)接続の際にグローバルIPアドレスを自動収集する機能を利用すれば、グローバルIPアドレスの管理や設定が不要になる。


HP MSR930

HP HSR6804

 DVPNは、拠点と本社やデータセンター間だけでなく、拠点同士のVPN接続についても利用でき、最大5000拠点でのメッシュ接続が可能。これにより、93%の設定作業を削減することができるとしている。

 3つめは、WANに必要な機能を標準搭載しており、追加ライセンスの購入が不要なことを挙げている。他社でオプションとなりがちな、ファイアウォールやIPSec VPNなどのセキュリティ機能、IP電話などのユニファイドコミュニケーション機能、MPLS、RSVP、L2VPN、BFD、DLSw+などの各種プロトコルや機能を標準機能として提供する。ソフトウェアのバージョンアップなどの際も追加費用をかけずにアップデートができる。

 製品のラインアップの6機種の価格や用途は以下の図の通り。HP MSRシリーズは、支社や拠点で用いる「マルチサービスルータ(MSR)」、HP HSRはデータセンターのコアルータや企業のセンタールータで用いる「ハイパフォーマンスサービスルータ」との位置付けだ。「そもそものパフォーマンスが高いので、状況におうじてMSRシリーズをコアルータとして採用するといったケースもあると見ている」(深川氏)


 ハードウェアの特徴は、各シリーズごとに以下のようになる。

HSR6800シリーズ=データセンターや大規模ネットワークコア向けのシャーシ型ハイエンドルータ。パケット転送能力ごとに3モデルを展開する。最大276Gbpsの高スループット。コントロールプレーンとデータプレーンを分けて処理することで可用性を高めている。ノンストップフォワーディング(グレースフルリスタート)対応し、MPUや電源は冗長化。100GbEthernet(GbE)に対応予定。仮想シャーシ機能(IRF)にも対応予定となっている。

HSR6600シリーズ=10GbEに対応した2Uサイズルータ。メモリ容量の違いで2モデルを展開。コントロールプレーンとデータプレーンの独立。ノンストップフォワーディングに対応する。

MSR2000/3000/4000シリーズ=ブランチオフィス向けのルータ。最大20Gbpsのスループット。2~4ポートの1Gポートを標準搭載。最大8000のIPSecトンネル数。MSR2000シリーズ1モデル、MSR3000シリーズ4モデル、MSR4000シリーズ2モデルを展開する。

MSR930シリーズ=WANx1ポート、LANx4ポートのコンパクトなボックス型ルータ。FTTHなどの1G回線に対応。コンビニエンスストアやガソリンスタンド、ファストフード店といった多店舗展開用に適している。ウェブブラウザで設定を行えるほか、DVPNにも対応する。

 多田氏によると、これらルータ群ではSDN(Software-Defined Networking)への対応も順次進められていく。現在、米国を中心にプロトコルなどへの対応が進められており、国内で提供する分についても今後のアップデートで対応するとしている。

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