そしてMoore氏は最後に、「顧客の戦略的なパートナーになるというのは、日本でも大切にしている考え方だ。そこからIoEの活用法がどんどん出てくることを期待したい」と語った。
IoTからIoEへという考え方は、インターネットと共に成長してきたCiscoらしい発想といえるが、果たして共通用語として定着するか。言葉のあやではあるが、これもCiscoがリーダーであり続けるかどうかを示す“リトマス紙”になりそうだ。
「Internet of Thingsの拡大に伴うスケールアウト型システムへのニーズにしっかりと対応していきたい」 (日本HP 橘一徳 統括本部長)
日本HP 統括本部長 橘一徳氏
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が10月4日、Linuxディストリビューション「Canonical Ubuntu Server」の販売を開始するとともに、マルチノードサーバの新モデル「HP Proliant SL2500 Scalable System」をはじめとする6機種を発表した。同社のサーバ&ネットワーク製品統括本部 統括本部長を務める橘氏の冒頭の発言は、その会見で今回の発表の狙いについて語ったものである。
橘氏はスケールアウト型システムへのニーズについて、「今後、Internet of Things(IoT)やM2Mが拡大する中で、それらから生み出される膨大なデータをいかに効率的に管理するか、効果的に活用するか、といった観点から一層高まると予想している」と説明。今回の発表はそうしたニーズに対応して、スケールアウト型サービスのポートフォリオを拡充したものだと語った。
日本HPが提供するCanonical Ubuntu Serverは、同社のコールセンターが窓口になり、同OSの開発元である英Canonicalのサポートエンジニアとの協調体制の下で、HP ProliantサーバとCanonical Ubuntu Serverのテクニカルサポートを一括で対応するとしている。橘氏によるとCanonical Ubuntu Serverをこうした形で手がけるのは、主要なサーバベンダーの中でも初めてだという。
今回の発表における詳しい内容については関連記事 を参照いただくとして、橘氏が強調したのは、同社としてのスケールアウト型システムへの取り組みの重要性だ。同氏によると、同社が提供しているx86サーバの台数ベースで、スケールアウト型はすでに3割程度を占めているという。x86サーバは同社にとって屋台骨の事業だけに、スケールアウト型をさらに伸ばすのは大きな命題ともいえる。
今回の発表は、多彩な品ぞろえで多様な顧客ニーズに応えようという狙いだが、IDC Japanの調査によると、今年4~6月の国内サーバ市場動向において、日本HPのx86サーバは出荷金額ベースでマイナス成長だっただけに、通年を見据えてどこまで巻き返しを果たせるか。注目しておきたい。
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