トップインタビュー

未来を示してエンジニアと経営層をつなぐ--ビズリーチ竹内CTO - (page 3)

大川淳 山田竜司 (編集部)

2013-10-24 07:30

創業時の南代表の印象は「うさんくさい」

--南CEOとの出会いは?

 南と出会ったのは、2008年5月でした。彼がビズリーチを設立するために、システムを開発してくれる企業を見つけた頃でした。開発を非常に安い金額で受けてもらっていて、その会社からは、エンジニアになって1カ月というような人をあてがわれ、なかなか開発が前に進まないという日々が続きました。バグを修正すると、また、3つのバグが発生するというような状況です。

 転職サイトは、人の経歴など、多くの情報を扱うので、検索する方法なども多様になり非常に開発の難易度が高かったのです。


 11月末にもう一度、南と話したのですが、毎日バグが発生し、遂に、1万を超えてしまいました。彼はウェブサービス難しさを実感したようでした。彼はビジネスを知っていたし、楽天球団の立ち上げなど、新規事業を起動させ、成功させる経験から自信もあったようです。しかし、ITの世界やテクノロジについての知識がないので、バグの原因がわからなかったのです。

 彼はサービスがつくれない事態など想定していなかったのですが、この時には現実を痛いほど思い知ったようです。そこで南は「すべてを任せるので助けてほしい」と頭を下げました。それを見て、求めに応じないわけにはいかないと思いました。

 5月に南に会った時にはうさんくさい印象を受け、起業してもうまくいかないのではないかと思いました。11月末には、ウェブサービスの開発の難しさを痛いほどかみしめたようで、印象もずいぶん変わったため、これならうまくいくかもしれないと思いました。こんなに長く一緒に働くことになるとは思っていませんでした。

--経営者に必要なものとは何か?

 営利企業では結局、お金を回す、いわば血液を循環させることができなければつぶれてしまいます。それができる人が舵を取っているわけです。方向性について、確固たる意識をもって、自分も船頭ができるくらいの力がないと、会社を率いていけません。それが経営の場で発言できるかどうかの要件なのでしょう。おそらく多くのCTOは、技術系の人々か技術の橋渡しをする人々です。

 そういう人たちは、CEOと同じレベルで会話ができなければなりません。ビジネス部門は売り上げを向上させようとし、技術側はこれをつくりたいと言う。営利企業では売り上げ向上が優先事項です。それを理解したうえで、対話を通じ両方の目標をかなえたいとのスタンスになれば、うまくいいくかもしれませんが、互いに何を言っているのか、内容を理解し合わなければなりません。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]