6社1大学で構成される「次世代プロジェクト管理データ交換アーキテクチャ協議会」(PROMCODE)は10月22日、プロジェクト管理データを組織間で交換するための「PROMCODEインターフェース仕様書」を公開した。併せて、この仕様書に基づき実プロジェクトへの適用を支援する「PROMCODE適用マニュアル」「PROMCODEアダプターソフトウエア」「PROMCODE実証実験報告書」を公開した。
これらによって、ユーザーとベンダー間で標準インターフェースを介したプロジェクト管理データの一元管理が可能となり、プロジェクトの開発遅延やコスト超過などのリスク低減を図ることができるという。
PROMCODEは南山大学、日本IBM、富士通、NEC、NTTデータ、日立製作所、野村総合研究所で構成される。ユーザーと複数ベンダーが参画する大規模なシステム開発プロジェクトにおいて、ユーザーとベンダー間の効率的な進捗管理や品質管理を実現することを目的に、プロジェクト管理データを交換できるインターフェースの標準規約を開発している。

PROMCODEインタフェース仕様書に基づく異なる組織間での管理データ交換(PROMCODE提供)
PROMCODEインターフェース仕様書は、実際の開発プロジェクトで使用している管理データをもとに策定され、実証実験を通して有効性を確認している。今後、PROMCODEでは、実プロジェクトへの適用を推進する。大規模なSIやソフトウェア開発に参画するユーザーとベンダーの関係が、柔軟かつ独立性の高い状態になることを目指すという。
さらに、オフショア開発の進展などに伴い、グローバルレベルでの複数組織による分散開発は世界共通の課題となっていることから、PROMCODEの成果を国際規格として標準化することを目指し、情報システム開発の業界標準を策定する国際的な団体「OASIS」に技術委員会の設立を準備するとした。
今回完成したPROMCODEインターフェース仕様書は、異なる組織間でプロジェクト管理データを交換するための標準インターフェースを定めたものであるという。現場におけるプロジェクト管理の実績に基づき、国際的なプロジェクト管理知識体系 Project Management Body Of Knowledge(PMBOK)との整合性を考慮しているという。
組織間で交換されるプロジェクト管理データのモデルを標準化した「PROMCODEドメインモデル仕様書」と、そのデータモデルを介し、各組織が利用する個別の管理ツール間でデータを交換するリソースを定義した「PROMCODEリソース定義仕様書」で構成される。
実際の仕様書に基づき、データ交換ソフトウエアを開発するガイドとなるPROMCODE適用マニュアルや、異なる組織間でデータを交換するためのソフトの実装例であるPROMCODEアダプターソフトウェア、各社がPROMCODEのインターフェースの実用性について、実証実験などで検証したPROMCODE実証実験報告書を公開している。