次に新たなアプローチとしてデータベースをサービス化した、Database-as-a-Service(DBaaS)について説明した。ハードウェアとソフトウェアを統合、仮想化し、管理の手間とコストを大幅に削減することになる。
Oracleではそのためのハードウェアプラットフォームとして、垂直統合型システム「Exadata Database Machine」が最適であると説明。「Exadataはデータベース用に設計された最適なスケールアウト・プラットフォームでパフォーマンス、キャパシティ、可用性に大きな優位性がある」と強調。SaaSを提供するSalesforce.comでもOracle DatabaseをExadataで動作することを決定していることも紹介された。
DBaaSを実践するためのデータベースのアーキテクチャは、「Oracle Database 12cのマルチテナント・アーキテクチャが必要。ブラガブル データベースによって、リソースと管理を共有する必要がある」とした。
もう1つの要素として、包括的なDBaaSのライフサイクル管理の必要性が挙げられるが、利用料の測定、課金、部門利用料の策定といった要素にもOracle Databaseは対応しているとした。
Loaiza氏はまとめの言葉として、「DBaaSは高いパフォーマンスと低コストを実現するもので、これが将来のプラットフォームとなると信じている」と締めくくった。

専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長 三澤 智光
後半は日本オラクル 専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長の三澤智光氏が、「オラクルのビッグデータ戦略~モバイル、ソーシャル、クラウド~」というテーマで講演した。
三澤氏はOracleのビッグデータ活用サービスとして、Oracle Big Data Connectorsを活用し、Cloudera Hadoop、Oracle NO SQL DatabaseをOracle DatabaseのSQLに変換。Exadata+Oracle Databaseをビッグデータ専用アプライアンスとして活用することで、15テラバイトのデータ分析を1時間で完了させることに成功した。
「Oracle DBを強化することにより、これまでSQLデータベースでは不得意といわれていた分析をOracle Database上で実施することが可能となった」(三澤氏)
ビジネスインテリジェンス(BI)についても、ビッグデータを活用するために、従来の分析に加え、探索という視点をもってデータと向き合う必要があると説明。利用する端末も、従来のようにパソコンからだけでなく、スマートフォン、タブレットといったさまざまなデバイスで実施する必要があるが、現場の担当者にとってはメリットが高いものの、情報システム部門にとってはそれぞれのデバイスに最適化されたUIを提供しなければならない。
情報システム部門の負荷を軽減し、エンドユーザーがいち早く欲しい答えにたどり着くために、エンドユーザー自身が画面デザインをOracle BI Mobile APP Designerを提供。ユーザー自身が自分の利用するデバイスに、必要とする情報を表示することができる。
分析と探索の両立については、Oracle Endeca Information Discoveryを活用することで、1つのエンジンで探索、分析の両方を実施、あらゆる情報を包括利用する環境を提供し、迅速にシステムを起ち上げることにつながる。
三澤氏は新しい技術を次々に提供していくことで、「従来のBIはキーワードを決めて分析していたが、ビッグデータ時代はそれだけでは物足りない。Googleの検索のように、調べていく過程でキーワードを足していくことで欲しい答えにたどり着くことが望ましい。Oracleでは技術革新を続けることで、これまでは実現できていなかった情報を価値に変える効果的な仕組みを提供していく」と企業に価値をもたらす提案を続けると明言して講演を締めくくった。