その1つがSuccessFactorsの学習コンテンツ作成機能だ。現在、学習コンテンツは企業のトレーニング専門チームや外部の専門家が作るのが通例だが、知識を持つ社員同士が教え合うという新しい方法を用いる。
ソーシャル・コラボレーション機能「JAM」を利用し、SuccessFactorsのアプリケーション内で動画を撮影し、アップロードするという簡単なステップで完了する。「コンテンツはみんなの頭の中にある。これをどうやって取り出して届けるか、どこでもコンシュームできるようにするか」とSuccessFactorsのDmitri Krakovsky氏はSAPのPtoPアプローチを説明した。
また、オンプレミスからクラウドのマイグレーションパスとして統合フロー「iFlows」も紹介した。データマッピング、ルーティング、APIコールなどのを含む統合コンテンツで、SuccessFactors、Ariba、Cloud for Salesなどすべてのクラウドソリューションに利用できるという。サービスマーケットプレイスからダウンロードでき、拡張や改変も可能とした。すでに200以上のiFlowsを用意している、とクラウド担当上級副社長のNayaki Nayyar氏は述べた。
Sikka氏は最後に、エコシステムについても触れた。SAPは2012年12月、スタートアップ企業にHANAアプリケーション開発を奨励する「SAP HANA Startup Program」を開始、すでに1000社が参加しているという。この中から、35のアプリケーションがアプリストアの「HANA Marketplace」で商用提供されているとSikka氏は満足顔で報告する。アプリストアには週に2、3のアプリケーションが提出されているという。
リーチを広げると同時に、スタートアップ企業の社風をSAPに取り込むという効果も生まれており、働き方がオープンにより協調的になったという。
同日、新たな取り組みとしてSAPエコシステム向けの教育プログラム「D-Code」、SAP/SAP顧客/スタートアップ企業でソリューションを構築する「HANA Idea Incubator Program」も発表した。
HANAがプラットフォームとして成功するには、SAP以外のアプリケーションが必要となる。この部分は、SAPにとって新しい挑戦となりそうだ。
今回のTechEdは、HANAにより業務アプリケーションから拡大を図るSAPの姿が色濃く出たものとなった。なお、SAPは会期中、モバイルプラットフォームの最新版「SAP Mobile Platform 3.0」も発表した。これについては、後日レポートしたい。
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