キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、米Kaseya(カセヤ)のクライアント向けITサービス提供プラットフォーム「Kaseya日本語版SaaS」を、2013年12月2日から、日本国内市場向けに提供を開始する。
資産管理や自動インストールなどの各種機能を一元管理できる特徴を前面に打ち出す一方で、企業ユーザーが直近の問題として抱えるWindows XPからの移行措置のための提案にも、このサービスを活用していく考えだ。
Kaseyaは、全世界32カ国で販売しているクライアント向けのITサービス構築や運用を目的としたプラットフォーム。全世界1万2000社以上に導入され、1300万以上のライセンスが提供されているという。
ITプロダクト推進本部 ITプロダクト企画部情報通信ビジネス企画課 小西英明課長
また、ITサービスを提供しているサービスプロバイダにも提供しており、サービスプロバイダーが各社が提供するメニューのなかにKaseyaを用意。「世界の大手サービスプロバイダーの485社のうち、51%でKaseyaを採用している」(キヤノンマーケティングジャパン ITプロダクト推進本部ITプロダクト企画部情報通信ビジネス企画課の小西英明課長)という。
マルチテナント型のライセンス体系を持っており、サービスプロバイダーは、契約したライセンスを他企業や別部門など第三者に展開し、再販することが可能なため、サービスプロバイダーが取り扱いやすい環境が整っているともいえる。
日本ではキヤノンMJが、サービスプロバイダーとして直販によるサービス提供を行うほか、国内唯一のKaseyaディストリビュータとして、国内のサービスプロバイダーに供給する。
Kaseyaには大きく2つの特徴がある。ひとつは、クライアントデバイスのライフサイクルマネジメント全般に関わる機能をオールインワンとして提供している点だ。
Kaseya Total概要
Kaseyaでは、「資産管理」「PCの遠隔操作/サポート」「モニタリング」「パッチマネジメント」「デスクトップポリシーマネジメント」「ネットワークマネジメント」「モバイルデバイスマネジメント」「ソフトウェア自動インストール」「データ遠隔消去」「ヘルプデスク/トラブルチケット」「電源管理」を標準サービスとして提供。オプションとして、「バックアップ/復元」「アンチウィルス/アンチマルウェア」を提供する。
「企業のIT部門が必要とする管理機能などを、最新の技術基盤をベースにオールインワンで提供する。また、これらの機能を自動化できることから大幅な効率化が図れる。さらに、1つの画面から一元的に管理できることから、BYODの広がりなどによって、管理対象となるデバイスが増大した場合にも、対応人員を増やすことなく、サービスを維持できる」としている。
管理対象となるデバイスは、Windows、Mac、Linuxなどのほか、Android、iPhoneおよびiPad、BlackBerry、Windows Phoneにも対応している。
今年12月からは、プリンタドライバ展開サービス、Windows 7移行サービスを提供するほか、2014年前半予定には、Windows8タブレット導入運用サービスを開始。さらに、セキュリティサービス、データバックアップサービス、モバイル・デバイス・マネージメントサービスを2014年前半から提供する予定だ。
2つめは、専門性の高い分野のサービスを構築するためのプラットフォームとして、セキュリティやマネージドプリントサービス(MPS)、OS移行分野などに関して、専業ベンダーの商品やサービスと連携する「Kaseyaエコシステム」を実現している点だ。