日本ヒューレット・パッカードは、企業のインフォメーションガバナンスのための4つの新製品を発売した。2011年に買収した旧Autonomy(オートノミー)の製品で、日本市場に初投入となる「HP Records Manager 8」と「HP ControlPoint 4.1」、機能強化された「HP Application Information Optimizer 7.1」と「HP Data Protector 8」の4製品を発売する。価格はいずれも個別見積となる。
日本HP オートノミー・インフォメーションマネジメント統括本部 統括本部長 東アジア担当の春木菊則氏
日本HP オートノミー・インフォメーションマネジメント統括本部 統括本部長 東アジア担当の春木菊則氏は、「データが爆発的に増加する中、それをどう管理し、統治するのかについては、欧米に比べて日本は大幅に遅れている。人事など管理部門に所属する人にとって大きな問題となっている。日本でも管理、統治が必要となるだろう」とインフォメーションガバナンス製品の需要がこれから日本でスタートするとの見方を示した。
今回の製品を発売する背景を春木氏は「爆発的にデータが増加する中、情報の統治がきちんとできているのか。データが増加する中、情報の統治にきちんと取り組まないで放っておくとリスクが増大し、コンプライアンスの効かない状態に陥る」と指摘する。
インフォメーションガバナンスによってリスクの軽減、コストの低減、生産性向上、効率的なIT投資といった企業にとってもプラスとなる状況が生まれるという。
2011年に買収したオートノミー製品は、インフォメーションガバナンス分野のほかに、アナリティクス、デジタルマーケティング分野の製品があるが、「収益の中心となっているのはインフォメーションガバナンス製品。構造データと非構造データの両方をハンドリングし、検索エンジンのIDOLで意味に合わせて分類し適切に管理する」(春木氏)という特性をもつ。
インフォメーションガバナンス製品にはトータルで18製品あるが、今回、日本で初登場となる2製品、機能強化された2製品、合計4製品を発売する。
ControlPoint 4.1は、企業内に蓄積される各種情報資産のアクセスや分類、廃棄といったビジネスプロセスを管理するソフトウェア。電子メールやドキュメントファイルなど、さまざまなデータのライフサイクル管理やコンプライアンス対応を実現するという。
情報を単なる検索ではなく、保存するべき時期を超えた古いデータや、企業が保存する意味がないジャンクデータであるなど内容に応じた分類を行うことで、適切なビジネスプロセス管理が実現するとしている。10月21日に販売を開始している。
Records Manager 8は、企業や組織にかかわるすべてのドキュメントと記録を管理するソフトウェア。各種のドキュメントと記録の生成から廃棄まで、セキュリティレベルやポリシー情報に応じて管理、実行し、各種規制要求に対するコンプライアンスを実現する。管理を行い、それをワークフローとして展開していくことで、適切な管理を実現する。10月21日から発売している。
HP Application Information Optimizer(AIO)の概要
Application Information Optimizer 7.1は、データベース内の構造化データを管理し、非アクティブなデータの移行や引退を実現するソフトウェア。最新版では、「アプリケーション引退」機能を強化するとともに、Records Manager 8との連携を実現している。
統合基幹業務システム(ERP)のようにさまざまなアプリケーションが連携し、データが膨大になるものの廃棄が難しいソフトウェアでも、データをアーカイブ化することで適切に活用できる。10月21日から発売している。
Data Protector 8は、物理と仮想の混在環境におけるデータのバックアップ、リカバリを行うソフトウェア。最新版では、ビッグデータに対応するためにさらに大量のデータを保護できるよう、拡張性とパフォーマンスを大幅に強化している。発売は2014年1月を予定している。
春田氏は、「HPではこうした製品に加え、コンサルティングなどトータルで顧客をサポートできる体制をもっていることが大きな強みとなっている」とアピールした。