CIOとCDOの関係について、Aron氏は次のように分析する。ビジネスは大別すると(1)バックオフィス、(2)フロントオフィス、(3)ヘッドオフィス――になり、従来CIOはバックオフィスを担当していたが、CDOはフロントオフィスとヘッドオフィスを担う。
「CIOがCDOの役割を担うことが可能ではある。しかし、今までのようなシンプルな形にはならない。CDOは、取締役会レベルで戦略を提言するような立場になる。現在、CDOになっている人々はCDOの経歴を持っているのではなく、戦略やマーケティングを担当していた経験がある」(Aron氏)
ガートナー ジャパン エグゼクティブプログラム(EXP) グループバイスプレジデント兼エグゼクティブパートナー 長谷島眞時氏
Aron氏は、Gartnerが発信したいメッセージとして「企業や事業に応じてビジネスのデジタルリーダーシップの取り方が異なっても良いということだ。一般的なITはもはや要らない。ビジネスの文脈に合わせたデジタル化が求められている。重要なのは、あらゆるビジネスの中であらゆる人々が“デジタルとは何か”との共通の理解を持っていることであり、そこに一切の相違や曖昧さがあってはいけない」と解説した。
ガートナー ジャパン エグゼクティブプログラム(EXP) グループバイスプレジデント兼エグゼクティブパートナーの長谷島眞時氏は「第3の時代が難しいのは、非連続の変化点に差し掛かっていることだ」とした上で以下のように主張し、変化に対して注意深い視線を向けることが重要との考えを示した。
「われわれは今、ビジネスの仕方や生活をも大きく変化させるような技術を活用できる時代に来ている。ビジネス有り様そのもの、コンピューティングの使い方さえ変えかねないものだ。これをいかにして、上手に安全に使うか。その使い方のデザインをする必要がある。そのデザインの在り方は分かりづらいが、2013年に入って2012年よりはその輪郭がはっきりしてきた。2014~2015年にはもっとはっきりするだろう。新しい要素は、従来の延長線上にあるものとしてとらえてはいけない。今、企業は前向きの危機感を持っていい」
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