インターフェースを統一したことで業務ロジックをスリム化
新井氏に続いて登壇したのは、NTTドコモ 情報システム部顧客システム開発推進担当 主査の吉田孔昭氏。同氏からは、NTTドコモの顧客情報管理システム「ALADIN」において、WebLogic Serverをどのように活用しているのかが語られた。
ちなみに、毎年サンフランシスコで開催される「Oracle OpenWorld」では、オラクル製品を使って先進的な取り組みを実現したユーザー企業を表彰する「Oracle Excellence Awards」の表彰式が行われるが、NTTドコモはこのALADINプロジェクトにより、今年のOracle Excellence Awardsを受賞している。
NTTドコモ 情報システム部顧客システム開発推進担当 主査 吉田孔昭氏
ALADINは全国のドコモショップとインフォメーションセンターをつなぐ顧客情報管理システムであり、顧客情報入力から与信チェック、電話番号払い出しなどなど、契約と販売に関するあらゆる業務を担っている。携帯キャリアとして国内最大契約数を誇るNTTドコモの心臓部と言ってもいいシステムだ。
1996年に稼働を開始したALADINは、2010年にアプリケーションとデータ構造を見直す大規模改修を受け、Javaベースのシステムに生まれ変わった。さらに、この2013年2月にはアプリケーション基盤(ハードウェア、OS、アプリケーションサーバ)を更新し、現在の構成になっている。
吉田氏によると、2010年の大規模改修では開発効率の改善を優先した結果、端末とアプリケーションサーバ間でやり取りするJavaのオブジェクトサイズが巨大になったという。
「以前のシステムでは、住所変更や“SPモード”申し込みなどの業務プロセスごとに必要なデータを読み出す方法を取っていましたが、業務ごとにインターフェースを設計する必要があり、開発効率の低下を招いていまいました。そこで2010年の改修では、顧客のカレントデータをすべて読み出して、必要な変更を加えてすべて書き戻すという方法に統一しています。結果として、オブジェクトサイズは大きくなりましたが、インターフェースを統一したことで業務ロジックをスリム化でき、開発生産性を向上できました」(吉田氏)