HTML5 Experts.jp

JavaからHTML5ヘ--業務システムの開発におけるウェブ技術の変化と適応事例(前編) - (page 2)

佐川夫美雄

2013-11-25 12:00

JavaScriptフレームワークを用いたウェブアプリケーション

 JavaScriptフレームワークを用いたウェブアプリケーションで何がどう変わったか。従来型ウェブアプリケーションとの違いは、画面遷移も含め、ほとんどの処理をJavaScriptで作っているということが大きく異なります。


  1. HTMLで作成された画面を表示
  2. 必要な情報をRESTで取得(登録・更新)し、画面へ表示する
  3. 取得したトランザクション情報をウェブ Storageへ格納する。プルダウン等で使われるマスタ類はJSONで作成し、クライアントへ配置する
  4. 以後、画面とウェブ Storageで情報のやり取りを行う
  5. 一連の業務完了後、データをRESTでサーバへ送信し、Web Storageのデータとサーバ上に配置されたデータベースとの同期を行う

 このウェブアプリケーションでは、ほとんどの処理をJavaScriptで作成しています。Javaは「情報を永続化するため」に使用されます。Javaはウェブアプリケーションのバックエンド機能としての役割に特化しています。このことは他のエンジニアから指摘があった通り 「次世代型ウェブアプリケーションとJava標準『Java EE 7』」であると考えています。

 注意することとしては、「一連の業務完了」というものが、業務アプリケーション毎に異なる点です。在庫管理に、直接サーバに確認したいようなアプリケーションでは頻繁に発生しますが、ライフプランニングのように1日や数日経過しても問題ないようなアプリケーションでは時間枠が異なります。後者のケースでは特にWeb Storageの機能が本領発揮とするでしょう。

Web StorageやApplication Cacheを使うメリット

 Web StorageやApplication Cacheを利用することで、サーバとの通信を行わず、ページ切り替えをブラウザ内のみで処理することができます。従来型ではページ切り替え時の通信時間に、少なくとも数秒要していましたが、この時間を発生させないためのレスポンスに有利になります。


 これはユーザビリティの向上にとって非常に重要なことです。従来型のウェブアプリケーションではもっさりした感覚のあるものがほとんどでしたが、Web StorageやApplication Cacheの恩恵により、限りなくファットクライアントに近いリッチクライアントを作ることができます。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]