NECは11月11日、弱い電波を利用したシート型のセンサと解析技術を組み合わせ、人やモノの形や動きを正確に把握する「プレゼンスセンシングシステム」を開発したと発表した。カメラを用いないため、公共施設などでプライバシーに配慮しながらセキュリティ対策ができるという。
数mm厚のシートを置くまたは埋め込むと使用可能
今回開発したプレゼンスセンシングシステムは「フロアなどに設置したシート表面から発する微弱電波を通じ、足あとなどをとらえるシート型のセンサ」「センサで検知したデータから足裏の形状や向きなどを把握する解析技術」の組合せで構成される。
新開発した薄さ数ミリ程度のセンサシートは、表面から発する非常に弱い電波により人やモノの移動する様子をとらえることができるという。重さや形状に関わらず物体の検出が可能であり、車椅子、盲導犬、白杖なども検出可能という。同等精度の既存センサを使用した場合と比較し、数十分の一のセンサコストで環境構築が可能とアピールする。
解析技術では、独自の画像認識技術から足裏の形状を再現することができ、人の位置や動きを捉え、一度に複数人の検出もできる。
病院などで、高齢者や患者が人目のつかない所で倒れているなど異変の早期発見や立入禁止エリアへの不審者侵入有無、特定エリアの混雑状況の把握などが可能と説明している。
NECは今後も研究開発を進め、同技術を用いた製品やサービスを2015年度までに実用化する予定。