アイ・ティ・アール(ITR)は11月12日、企業向けモバイルに関するデバイスやアプリケーション、コンテンツ管理、マルウェア対策、開発ツールの5分野における動向を調査したレポートを発刊したと発表した。国内41ベンダーを対象に調査したもの。モバイルデバイス管理市場が2012年度に対前年比約3.4倍と急速に伸びたことなどを明らかにしている。
また、アプリ配信型のモバイルアプリケーション管理市場は、2012年度に市場が立ち上がったばかりだが、2013年度は10倍超に達するという。一方、ゲートウェイ/ブラウザ型のモバイルアプリケーション管理市場も、注目度の拡大により、2013年度に21.4%増を見込んでいるという。
モバイルコンテンツ管理市場は、2012年度の市場は95%増と大幅増。2013年度も87.2%増の高成長を維持する。
マルウェア対策市場は、モバイル端末のビジネス利用拡大に伴い、2012年度は3倍に迫る175%増、2013年度も81.8%増と高成長を継続すると予測している。
開発ツール市場は2012年度は2倍強に拡大、2013年度はさらに伸びるとしている。
ITRのシニア・アナリストである舘野真人氏は「ネイティブアプリによる機能拡張はスマートデバイスの重要な価値の1つであり、その特性を業務にも生かしたいと考える潜在的なニーズにより、今後アプリ配信型の導入が優位に進むと見ている。メールの送受信やスケジュール管理などの比較的ライトな活用シーンでは、デバイスにデータを保存する必要のないゲートウェイ/ブラウザ型も根強い支持を獲得し続ける。将来的には、スマートデバイスの活用パターンや業務の特性に応じて両者のタイプを使い分けたり、あるいは1台で併用したりといった運用が一般化する可能性が高い」とコメントしている。
ITサービス管理市場:ベンダー別売上金額シェア(2012年度)