NECは11月13日、ビッグデータ関連の技術や製品、サービスを「NEC Big Data Solutions」として体系化、4種類のサービスメニューの販売を開始した。NECグループで分析要員も拡充する。
Big Data Solutionsは、高度な分析やデータ処理などの技術、100件以上のユーザー企業での実証に基づくノウハウ、製品やサービスを体系化した。ニーズが高い「オペレーション高度化、最適化」「情報管理の強化、犯罪や不正の検知」「製品やサービスの価値向上、改善」「顧客の獲得と維持、販売促進」という4つの領域でメニューを順次拡充していく。
新しく提供が始まったメニューは「プラント故障予兆監視」「情報ガバナンス強化」「需要予測型自動発注」「人材マッチング」の4つになる。
プラント故障予兆監視は、工場やプラントなどの設備につけられた各種センサの情報を収集、分析して、故障する前に設備の状況を把握する。“いつもと違う”挙動を自動で発見できるという「インバリアント分析」技術を活用する。中国電力の島根原子力発電所で実証している。
情報ガバナンス強化は、文書全体の意味を理解してリスクなどを自動的に重要度を判定する。世界1位の評価を獲得したという「テキスト含意認識」技術を含むテキスト分析技術やノウハウを活用する。先行的に三井住友銀行で採用されている。
需要予測型自動発注は、売り上げや気象情報などの多様なデータをもとに将来の需要を予測して、発注を自動化するもの。大量のデータに混在する規則性を発見して、高精度の予測や異常検知が可能な、世界初という「異種混合学習」技術を活用する。廃棄ロスの削減や発注作業の効率化が実現できるという。
人材マッチングは、求職者と企業の業種や職種などの項目データや自己紹介文などをあわせて最適にマッチングできるという。画像やテキストなどの非構造化データを含めた情報から高速に学習する独自の「RAPID機械学習」技術を活用する。人材採用プロセスの効率化や企業内の人材配置を支援できるとしている。
分析要員の拡充では、グループ会社のアビームコンサルティングとともに2016年3月末までに600人体制を作る。NECの技術とアビームのコンサルティングノウハウを組み合わせる。NECは、ビッグデータの事業戦略立案や新しい製品やサービスの開発を推進するための部署として4月に「ビッグデータ戦略室」を設立した。