ベトナムでビジネスをする

社員の意識改革、なんとかしなきゃ--ベトナムオフィスの実態 - (page 2)

古川浩規(インフォクラスター)

2013-11-18 07:30

重くなるからWindows Updateをしない

 一方、会社で使用するPCも含め、情報セキュリティに関する対策が取られないまま、また、前回にも記載したようなセキュリティアップデートの対応が取られないままに各種製品を使用している現状が多いこともあり、ベトナムは世界でもスパムメール発信源の1つとなっています。ベトナム政府も対応に取り組んでおり、スパムメール対策をはじめとする政府決定や規則を打ち出し、VNCERT(Vietnam Computer Emergency Response Team)といった体制整備も行っているものの、より一層の取り組みが必要な状況となっています。

 一般的なオフィスにおいてでさえ「動作が重くなるからWindows Updateをしないで使っています」「着任してみたらOSがWindowsXP SP2のままでした」といった話を聞くくらいですから、一般のユーザーに対してはさらなるセキュリティに関する意識改革が必要といえるでしょう。

 「いやいや、ベトナムでは情報漏えいのニュースは聞かないよ」という方もいるかもしれません。しかしそれは“ニュース性がないためにニュースにならない”、いわば日常化していると理解した方がいいようです。貴社にも「感染したらフォーマットして再インストールすれば大丈夫ですよ」といった楽観論を言うベトナム人スタッフがいるかもしれません。しかし、今この瞬間にも、貴社の重要な情報がインターネットの海に漂いだしているかもしれないなのです。

 残念ながら、どんなに技術的な情報セキュリティ対策を行っても100%安全だとは言いきれません。しかし、だからこそ、社内のセキュリティリスクを把握、理解して、ベトナムでも安心して業務システムを稼働させることが肝要だと思います。

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