米国での発表では、製品発表に近年はほとんど参加しないという最高経営責任者(CEO)のJohn Chambers氏自身がACIを説明するなど、「Ciscoの事業戦略にとっても重要なものになっている」(Palumbo氏)という。
ユーザーがACIを採用するベネフィットとしては、総所有コスト(TCO)の削減を挙げた。「市販スイッチとネットワーク仮想化を使った場合のコストがポートあたり月154ドルだとすると、CiscoのACIは月40ドルで約75%の削減になる」(Wong氏)という。
シスコシステムズ 執行役員 データセンター・バーチャライゼーション事業担当 俵雄一氏
この差は、ネットワーク仮想化で使用する仮想マシンのライセンスが不要になることや、消費電力や冷却による削減効果、オープンスタンダードの採用による既存投資の保護などから生じているという。
シスコシステムズの執行役員でデータセンター・バーチャライゼーション事業担当の俵雄一氏は、ACIの意義について「今日のSDNモデルは、ソフトウェアベースのネットワーク仮想化であり、パフォーマンス、複雑なインフラストラクチャ管理、可視性の不足などが課題になる。シスコが考えるモデルは、物理と仮想を一元的に管理し、アプリレベルで可視化、自動化できる“Beyond SDN”となるモデル」だと強調した。
ACIについては、国内企業として伊藤忠テクノソリューションズ、サイバーエージェント、ネットワンシステムズなどのパートナー、ユーザーが支持を表明している。
ACIのメリットはTCO削減にあるという
ACIのコンポーネントとなるスイッチのNexus 9000シリーズ。(左から)93128T、9508、9396