モノのインターネット(Internet of Things:IoT)の普及を見据え、全面的にモバイルに対応する新プラットフォーム「Salesforce1」を発表した米Salesforce.comの最高経営責任者(CEO)、Marc Benioff氏。米国時間11月19日の基調講演後に開催されたQ&Aセッションで「モバイルビジネスを展開する上で参考にしたのは日本のLINEだった」ことを明らかにした。
このQ&Aセッションは日本の報道陣向けではなく、全世界の報道関係者を対象に実施されたもの。リップサービスではなく、Benioff氏が純粋にLINEを高く評価しての発言と言える。果たして、LINEはSalesforce.comのモバイル戦略にどのように影響を及ぼしたのか。
「モバイルビジネスを展開する上で参考にしたのは日本のLINEだった」と話すBenioff氏
Salesforce1には、従来の同社の製品にはなかった要素がある。以前からアプリを開発できるプラットフォーム機能やモバイルへの対応を試みていたが、Salesforce1ではより高い水準を目指している。
具体的には、プラットフォームとして既存のSalesforce用アプリがそのままSalesforce1で利用できるのが1つ。さらに、従来に比べAPIを10倍以上に拡充した。このAPIによって、アプリ開発者は従来よりも短期間でモバイル対応のソーシャルアプリやモバイルアプリを開発できるようになる。導入済みのカスタムアプリ、CRMアプリ、マーケットプレイス「AppExchange」から提供されたパートナーアプリは全て統一されたモバイル環境で利用できる。
Benioff氏はプラットフォーム戦略について「われわれが目指しているプラットフォームはMicrosoftが提供してきたものとは異なる」と説明。「マーケティングやセールスなどの顧客向けサービスを連携できるカスタマープラットフォームを目指した」とのこと。
こうしたプラットフォームビジネスについて「今後大きなビジネスチャンスがあり、魅力的だ」とBenioff氏は指摘した。
自社のモバイル戦略に関して「われわれはかつて、素晴らしいモバイル戦略を持っていると考えていたが、2年前に考えた戦略は誤りで壁にぶち当たった。戦略を立て直さなければならなくなった」と明かす。具体的には「この2年間でモバイルデバイスの性能や機能がはるかに豊富になった。その結果、われわれが提供してきたAPIでは足りなくなってしまった」と述べた。今回、そのAPI絡みの課題解決に動いたことになる。
このモバイル戦略を立て直す際に、「参考にした」として最初に名前を挙げたのが日本のLINEだった。