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三国大洋のスクラップブック

心中やいかに--気になるビル・ゲイツ「現役復帰」の可能性 - (page 2)

三国大洋

2013-11-22 08:00

 Bloombergの記事には、Schwabが「Gatesは最低でも1年はMicrosoftに戻って経営を舵取りするのが当然」などと述べたと書かれているが、そういうSchwab自身は当初「1年間の約束」で復帰したCEOを結局4年間も務めることになったとか。会社の立て直しや方向転換というのはそれだけ大変な仕事ということだろう。

 Schwabのこの指摘が重要に思えるのは「企業文化の変革(スクラップ&ビルド)」という問題に触れているからで、前述したWall Street Jornal(WSJ)の記事には「Ballmer自身が社内での浸透に一役買ったまさにその企業文化のせいで、Microsoftが今後彼に率いられることはないだろう」(”Microsoft would not be led by him because of the very corporate culture he had helped instill. ”)という一文がある――つまり、Ballmerが居座り続けては、Microsoftが今必要とされているスピードで方向転換を成し遂げることは難しい、ということだろう。

 この指摘や、「たぶん自分は古い時代の象徴のような存在で、同時に先に進まなくてはならない」「自分のしていることはすべて大好きだが、Microsoftが新しい時代に入る上で最もいいのは、変化を加速する新たなリーダーを(トップに)据えること」というBallmerのコメント(註2)は、見方によっては「自己否定」とも受け取れるもの……それだけにちょっと痛々しい感じもする。

さて。

 未だに復帰説がなくならない当のBill Gatesはどうしているかというと、相変わらず「現役復帰はあり得ない」との姿勢を崩していないようだ。Schwabのコメントを載せたBloombergの記事にも、以前からGatesと親しいWarren Buffett(Berkshire Hathaway会長で、Gatesのポーカー仲間、Gates Foundationの大口献金者)の、「Gates復帰は100%あり得ない」とする話や「GatesのCEO復帰というのは検討されたこともない」とするMicrosoft関係者の話などが紹介されている。

 さらに、Gatesは11月初めにWSJに掲載された寄稿記事の中で「当初は不可能と思われていたインドでのポリオ撲滅活動が進み、なんとかゴールが見えてきた」などと述べ、財団(Bill and Melinda Gates Foundation)の仕事の方にますます肩入れしていきそうな気配も感じさせていた(ただし、Ballmer退任が公表されてから、Microsoftで過ごす時間が増えたという本人のコメントも別のところで目にした覚えがあるが)。

Bill Gates: What I Learned in the Fight Against Polio - WSJ

 このポリオについては、現在紛争(内戦)真っ只中のシリアで最近、14年ぶりに感染が確認されたという話も伝えられていた(The Vergeの記事には、シリアからだと欧州まで飛び火しかねない、とする専門家のコメントも出ている)。撲滅を目標に掲げるGates(と彼らの財団)にとってはなんとも気がかりなニュース、といったところかもしれない。

Syria's polio outbreak could resurrect a once-rare disease - The Verge

 Gatesは、Googleの気球を使った無線ネット網実験プロジェクト「Project Loon」、Facebookが中心となって立ち上げた、新興国の人々がネットにアクセスできるようにするという目標の取り組み「Internet.org」について、その度に「生死の境をさまよっている子供たちにとって、インターネットがどれほど役に立つのか」と疑問を呈する発言をしていた。そうしたこともあり、「Microsoftの方向転換の仕事に専念するので、財団の方はしばらくお休みします」と自ら“ピボット”を宣言するのは容易いことではないかもしれない。

 Microsoftのことも大いに気にかかり、同時に財団の仕事の方もこれまで以上に気にかかり……といった感じで、世界一の大富豪にとっても実に悩ましい状況なのかもしれない。

 なお、以前からMicrosoftのトップ人事について面白い話を伝えてきているKara Swisher(AllThingsD)は、WSJのBallmer独占記事を受けて、「今のところ最有力候補は現Ford CEOのAllan Mulally。ただし、CEOになったとしても“中継ぎ役”、あるいは年下の幹部らの“後見役”といった色合いが濃く、任期中に次のCEOを育てることになりそう」といった話が出ているらしい。

“Caretaker” Mulally as CEO Remains Inside Bet at Microsoft, but Will a Dark Horse Emerge? - AllThingsD

 また社内の候補の中では、Enterprise事業担当のSatya Nadellaが一番有力視されているという。さらに、通信業界には潜在的な候補者がたくさんいるとか、Paul Maritz(VMware元CEO、現Pivotal CEO)のMicrosoft復帰を望む声もいまだに絶えないなど、混沌とした状況をうかがわせる話も出ていて興味深い。

 本文敬称略

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