来日したCourtois氏のメッセージ
ここで改めて、Microsoftの次期CEOの条件を考えてみる。11月21日に東京で開催された「the Microsoft Conference 2013」に、日本マイクロソフトの代表執行役社長を務める樋口泰行氏の“上司”に当たるJean Philippe Courtois氏が来日した。
来日したCourtois氏
Courtois氏はどんな指示をしたのか。日本マイクロソフトの幹部に話を聞いたところ、「(2012年までは10%くらいの雰囲気だったのが)今年は100%クラウド推しだった」という。また別の幹部は「以前はトップライン(売り上げ)のことばかりだったが、今回は企業向けソフトウェアについて質を重視するようにと口を酸っぱくして言いながら帰って行った」と話していた。
この辺りから考えると、クラウド事業、具体的にはパブリッククラウドのWindows AzureやOffice 365のビジネスを大きく伸ばせるかどうかが、次期CEO選びの1つの条件になってきそうだ。
米Microsoftが10月24日に発表した7~9月の決算では、個人を対象としたソフトや製品を中心とする「デバイス・コンシューマー」の売上高が前年同期比4%増の74億6300万ドル。これに対し、企業向けソフトやサービスを主体とする「コマーシャル」が同10%増の111億9700万ドルだった。クラウド領域に加え、Windows Serverや、Dynamicsなどのアプリケーションなど、収益の柱になりつつある法人向け事業を飛躍させる戦略を持っていることが柱になってくる。
だが、法人重視は既定路線とも言える。最終的な絞り込みは、個人向けビジネスを再起動させる戦略を描ける人物かどうかで決まってくると考える。