クラウドサービスの現場が技術革新の原動力に
この10数年ほどのWindows Serverの世代交代を振り返ると、Windows 2000 Server、Windows Server 2003、Windows Server 2008、Windows Server 2012と、平均するとほぼ4年ごとに大規模なバージョンアップがあった。同社のサーバ関連の技術はパブリッククラウドの現場で革新されるようになった。
ここで変化が始まっている。吉川氏は「ソフトの開発には、これまでは、3~4年くらいかかっていたが、最近ではWindows Azureの機能は週単位で新しくなっている。ある時点でそれらをスナップショットとして提供している」と話す。
同社はPaaSであるWindows Azureを旗艦に、200以上のクラウドサービスを手掛けている。それらの運用や、開発から得られるさまざまな経験、それに基づいて蓄積される知恵や技術上の要点などを製品開発に活かしている。
開発の速度が著しく向上しているのは、このような開発手法の刷新による成果の1つだという。Windows Server 2012が登場後1年で同R2に進化したこともこの手法が大きく貢献しているという。今後同社は、Windows Serverのアップグレードは1年程度のサイクルにしていく意向だ。
サーバOSのバージョンアップのサイクルが短縮化していくことは、企業にとっては、負荷が大きくなるのではないかとの意識、あるいは“枯れた”OSを使いたいという立場もある。ただ、この10年でIT環境は大きく変化してきた。