クラウドの基盤が整っているとともにクラウドの発展を支えている技術的支柱といえる仮想化技術が非常に進化の歩みを早めていることからWindows Server 2003、Windows Server 2008の代替わりのときと比べ「選択肢」が増えている。仮想デスクトップ環境、クラウドへの移行、時間的な限界はあるだろうが、旧OSのシステムをクラウドや仮想化環境に委ね延命化することができるなど「対策」の幅は広がった。
新たな潮流が転換する、ハード、ソフト、ネットワークの位置関係
この数年で「モビリティ、ソーシャルメディア、ビッグデータ、クラウド、この4つのキーワードが別々に動くのではなく相互に連関しあいながら好循環しており、業界全体に新たなビジネスチャンスをもたらしている」(吉川氏)状況がある。クラウドや仮想化技術は、従来のOSや、基盤製品の枠を超えたコンピューティング環境を現出させようとしており、例えばエンドユーザーの直近に位置する端末はパソコンだけでなくスマートデバイスも加わっている。
無論、Microsoftもこのような潮流は認識しており「クラウドOS」と呼ばれる構想を掲げている。仮想化技術を基盤としてオープンな開発環境と一元的なシステム管理を柱とする一貫したプラットフォームを構築しマイクロソフト、顧客、サービスプロバイダーの3者が単一のコンピュータに載っているような状況を実現するというのがクラウドOSの目指すところだ。
Windows ServerとWindows Azureの環境の間から境界線をなくすということでもある。OSをはじめとするソフト、ハード、ネットワークはこれまでにはなかった位置関係になろうとしている。Windows Server 2012 R2の投入はクラウドを中核とする新しいITの時代の方向性を示唆しているようでもある。
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