エンタープライズ向けソフトウェアを手掛けるドイツのSoftware AG。過去数年間をかけた戦略的買収や研究開発(R&D)を通じて製品ポートフォリオを大幅に拡大、今では4分野のソフトウェアプラットフォーム製品群を取りそろえるまでになっている。その販売については、各国の地域事情に詳しいパートナーを重視しているという。
パートナー戦略の要として重要な市場を巡っている、グローバルパートナービジネス担当シニアバイスプレジデント、Friedrich Neumeyer氏に話を聞いた。
4つの大きなプラットフォーム
Software AGのグローバルパートナービジネス担当シニアバイスプレジデント、Friedrich Neumeyer氏
現在の同社の製品ポートフォリオは大きく4つの分野からなっている。「トランザクション」「ビジネスプロセスとITマネジメント」「インテグレーションとオートメーション」「ビッグデータ」の各プラットフォームだ。
この製品群のうち、もともとSoftware AGが手掛けてきたのはトランザクション関連ツールの分野で、残る3分野は主に企業買収や事業買収を通じて近年新たに獲得したもの。例えば、インテグレーションとオートメーション分野については2007年に買収したWebMethodsの製品、ビジネスプロセスとITマネジメントには2009年に買収したIDS Scheerに加え、2013年のalfabet AGの製品、ビッグデータでは2011年のTerracottaや2013年のApamaといった買収企業による製品が中核となっている。
「顧客のデジタル革命の価値を提供すべく、過去6年間をかけて社内開発と戦略的買収を進め、その製品ポートフォリオを4つの大きなプラットフォームとして新たにブランディングしました。これらが組み合わさることで、例えばビジネスプロセスをモバイルでも利用できるようにする、クラウドアプリケーションとオンプレミスの統合を図る、ソーシャルとの連動でビジネスを展開する、ソーシャルだけでなく金融や通信でのトランザクション、センサからのデータまでを含むビッグデータを活用する、といったイノベーションをもたらします」(Neumeyer氏)
買収に際しては、シェア増加よりも技術的な補完を基本方針としてきたという。主に狙ったのは、その分野における技術リーダー、あるいは技術的な穴を埋めるようなポジションのもの。このことが、近年の急成長につながったとNeumeyer氏は説明する。
「シェアの増加は、主に得た技術を以前より普及させることで実現していくという考えです。全く新しい市場へのアクセスを目的とした大きな買収は、WebMethodsとIDS Scheerの2つだけ。この戦略により、GarnterやForresterでも高く評価されています」
現在のSoftware AGは、ワールドワイドの売上高10億ユーロ以上、従業員5500人以上という規模になっている。
「市場におけるキープレイヤーになりつつある。現在のわれわれの使命は“顧客をデジタルエンタープライズにしていくこと”です」(Neumeyer氏)